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常磐なる松もや春を知りぬらむ
初子を祝ふ人に引かれて

歌の意味
一年中変わることのない常緑の松も、春を知ったのだろうか。初子の日を祝う人に引かれて。
鑑賞
巻第一 春歌上 12

詞書「百首歌奉りける時、子日の心をよめる」
 崇徳院に百首歌を奉った際、「子の日」を題として詠んだ歌である。正月最初の子の日には、野に出て小松を根ごと引き、長寿を祝う習わしがあった。季節によって色を変えることのない常緑の松も、子の日を祝う人に引かれて野から連れ出されることで、春が来たことを知ったのだろうか、と詠む。
 作者の「待賢門院堀河」は神祇伯源顕仲の娘である。鳥羽天皇の中宮待賢門院藤原璋子に仕えた女房で、院政期を代表する女流歌人の一人である。妹に上西門院兵衛がいる。

 初句「常磐なる」は、いつまでも変わらない、の意で、季節を問わず緑を保つ松の性質をいう。
 二句「松もや春を」の「や」は疑問の係助詞で、三句の「らむ」と係り結びをなす。
 三句「知りぬらむ」は、知ってしまったのだろうか、の意で、ここで句切れとなる。
 四句「初子を祝ふ」の「初子」は正月最初の子の日をいい、この日に小松を引き若菜を摘んで長寿を祈った。
 結句「人に引かれて」は、子の日の小松引きで人に引き抜かれて、の意で、三句の推量の理由をあとから示す倒置となっている。

ときは:いつまでも変わらないこと、常緑
はつね:正月の最初の子の日
ひく:子の日に小松を根ごと引き抜く
作者
待賢門院堀河
出典
千載和歌集
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見渡せばそこと標の杉もなし 霞のうちや三輪の山もと
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