梅の花折りてかざしに挿しつれば
衣に落つる雪かとぞ見る
- 歌の意味
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梅の花を折って髪飾りとして挿したところ、散って衣に落ちる花びらを雪かと見まがうことだ。
- 鑑賞
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巻第一 春歌上 21
詞書「崇徳院に百首歌奉りける時、よみ侍りける」
崇徳院に百首歌を奉った際の作である。梅の花を折って髪に挿していると、その花びらが散って衣の上に落ちるさまが、まるで雪が降りかかるように見えると詠む。白梅の花びらを雪に見立て、春の中に冬の名残のような美しさを見いだしている。
作者の「大炊御門右大臣」は藤原公能である。左大臣藤原実能の子で、右大臣に至った。大炊御門右大臣と呼ばれ、徳大寺実定の父である。
初句「梅の花」は、詠む対象を最初に示す。
二句「折りてかざしに」の「かざし」は、髪や冠に挿した花や枝をいう。
三句「挿しつれば」の「つれ」は完了の助動詞「つ」の已然形で、「ば」が付いて、挿したところ、の意となる。
四句「衣に落つる」は、髪に挿した梅の花びらが衣に散り落ちるさまをいう。
結句「雪かとぞ見る」の「ぞ」は係助詞で、「見る」と連体形で結ぶ。本巻の第十七首「花かとぞ見る」が梅の枝の雪を花と見たのに対し、本歌は梅の花を雪と見ており、見立てが反転した対をなしている。
かざし:髪や冠に挿した花や枝
- 作者
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藤原公能
- 出典
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千載和歌集
- 前の歌
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匂ひもて分かばぞ分かむ梅の花 それとも見えぬ春の夜の月
- 次の歌
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梅が香におどろかれつつ春の夜の 闇こそ人はあくがらしけれ