梅が香はおのが垣根をあくがれて
真屋のあたりに隙求むなり
- 歌の意味
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梅の香りは自分の垣根からさまよい出て、真屋のあたりで入り込む隙間を探しているようだ。
- 鑑賞
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巻第一 春歌上 26
詞書「梅花夜薫といへる心をよめる」
「梅の花夜に薫る」という題で詠んだ歌である。夜の梅の香りを人のように見立て、梅の香りが自分の垣根を抜け出してさまよい、閉ざされた家のあたりで入り込む隙間を探していると詠む。戸を閉ざした夜の家にまで忍び入ろうとする香りの動きを、ユーモラスに描いている。
作者の「源俊頼朝臣」は大納言源経信の子の源俊頼である。堀河院歌壇の中心として活躍し、白河院の命により金葉和歌集を撰んだ。千載和歌集の撰者藤原俊成が深く敬った歌人で、本集で最も多くの歌が採られている。
初句「梅が香は」は、梅の香りを主語として示し、人のように扱っている。
二句「おのが垣根を」は、梅の香りが自分の生まれた家の垣根を、の意である。
三句「あくがれて」は、本来の場所を離れてさまよい出て、の意である。本巻の第二十二首では梅の香が人を「あくがらし」と詠まれたが、本歌では梅の香自身があくがれ出ている。
四句「真屋のあたりに」の「真屋」は、屋根を棟の両側に葺き下ろした造りの家をいう。
結句「隙求むなり」の「隙」はすき間、「なり」は推定の助動詞で、隙間を求めているようだ、の意となる。
あくがる:本来の場所を離れてさまよい出る
まや:屋根を棟の両側に葺き下ろした造りの家
ひま:すき間
- 作者
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源俊頼
- 出典
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千載和歌集
- 前の歌
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春の夜は吹き舞ふ風の移り香を 木ごとに梅と思ひけるかな
- 次の歌
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梅が香に声移りせば鶯の 鳴く一枝は折らましものを