み山木の陰野の下の下蕨
萌え出づれども知る人もなし
- 歌の意味
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深い山の木々の陰になった野の下に生える下蕨は、芽吹いて出てきても、それを知る人もいない。
- 鑑賞
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巻第一 春歌上 34
詞書「堀河院御時、百首歌奉りける時、早蕨をよめる」
堀河百首で「早蕨」を題として詠んだ歌である。深い山の木々に覆われた日陰の野で、草木の下にひっそりと芽を出した蕨は、萌え出てもだれにも気づかれることがないと詠む。「下」の語を重ねて、人目につかない奥まった所で芽吹く蕨の姿を印象づけている。
作者の「藤原基俊」は右大臣藤原俊家の子である。堀河院歌壇で源俊頼と並び称された歌人で、千載和歌集の撰者藤原俊成の師にあたる。官位には恵まれず、従五位上にとどまった。
初句「み山木の」の「み」は接頭語で、深い山の木の、の意である。
二句「陰野の下の」の「陰野」は、木々の陰になって日の当たらない野をいう。
三句「下蕨」は、草木の下に生える蕨をいう。二句の「下」に続けて「下」の語を重ね、人目につかない場所であることを強めている。
四句「萌え出づれども」の「ども」は逆接の接続助詞で、芽吹いて出てきても、の意となる。
結句「知る人もなし」は、それを知る人もいない、の意で、人知れず春を迎える蕨の姿を結ぶ。
みやまぎ:深い山の木
かげの:物の陰になって日の当たらない野
したわらび:草木の下に生える蕨
- 作者
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藤原基俊
- 出典
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千載和歌集
- 前の歌
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つれづれとふれば涙の雨なるを 春のものとや人は見るらむ
- 次の歌
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みごもりに蘆の若葉や萌えぬらむ 玉江の沼をあさる春駒