朝夕に花待つころは思ひ寝の
夢のうちにぞ咲きはじめける
- 歌の意味
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朝に夕に花の咲くのを待っているころは、花を思いながら寝る夢の中で、花が咲きはじめたことだ。
- 鑑賞
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巻第一 春歌上 41
詞書「百首歌召しける時、春の歌とてよませ給うける」
崇徳院が歌人たちに百首歌を召した際、自らも「春」を題として詠んだ歌である。朝も夕も桜の咲くのを待ち焦がれているころは、花のことを思いながら眠るので、現実よりも先に夢の中で花が咲きはじめたと詠む。花を待ちわびる心の強さを、夢の中の開花という形で表している。
作者の「崇徳院御製」は鳥羽天皇の第一皇子の崇徳院である。「御製」は天皇や上皇の詠んだ歌をいう。院政期の歌壇を主導して久安百首を召したが、保元の乱に敗れて讃岐に配流され、その地で没した。
初句「朝夕に」は、朝に夕に、絶えず、の意である。
二句「花待つころは」は、花の咲くのを待っているころは、の意である。本巻はこのあたりから桜の歌へと移ってゆく。
三句「思ひ寝の」の「思ひ寝」は、物を思いながら寝ることをいう。
四句「夢のうちにぞ」の「ぞ」は係助詞で、結句の「ける」と係り結びをなす。
結句「咲きはじめける」は、花が咲きはじめたことだ、の意である。巻頭の第一首が霞の「立ちはじめける」で結ばれたのに対し、本歌は花の「咲きはじめける」で結ばれ、春の始まりと花の始まりとが呼応している。
おもひね:物を思いながら寝ること
- 作者
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崇徳院
- 出典
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千載和歌集
- 前の歌
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春はなほ花の匂ひもさもあらばあれ ただ身にしむは曙の空
- 次の歌
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いづかたに花咲きぬらむと思ふより 四方の山辺に散る心かな