おしなべて花の盛りになりにけり
山の端ごとにかかる白雲
- 歌の意味
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どこもかしこも一様に、花の盛りになったことだ。山の稜線ごとに白雲がかかっている。
- 鑑賞
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巻第一 春歌上 69
詞書は前の歌に続き「花歌とてよめる」
「花」を題として詠んだ歌である。見渡すかぎりどこもかしこも花の盛りになった、どの山の稜線にも白雲がかかっているように見える、と詠む。山々を白く覆う桜を白雲に見立て、満開の春の広がりを大らかにとらえている。
作者の「円位法師」は西行である。俗名を佐藤義清といい、鳥羽院の北面の武士であったが、二十三歳で出家した。諸国を旅して多くの歌を詠み、円位とも号した。
初句「おしなべて」は、すべて一様に、の意である。
二句「花の盛りに」は、桜の花の盛りに、の意で、次歌の第七十首も同じ句を用いる。
三句「なりにけり」の「に」は完了、「けり」は気づきの詠嘆で、なったことだ、の意となり、ここで句切れとなる。
四句「山の端ごとに」の「山の端」は、山の稜線、山と空との接する所をいう。
結句「かかる白雲」は体言止めで、桜を白雲に見立てる。次歌の第七十首も「峰の白雲」で結ばれ、花を白雲と見る歌が続く。
やまのは:山の稜線、山と空との接する所
- 作者
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西行
- 出典
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千載和歌集
- 前の歌
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高砂の尾上の桜咲きぬれば 梢にかくる沖つ白波
- 次の歌
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吉野山花の盛りになりぬれば 立たぬ時なき峰の白雲