咲きしより散るまで見れば木のもとに
花も日数も積もりぬるかな
- 歌の意味
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咲いたときから散るまでずっと見ていると、木の下には散った花も、過ぎた日数も、ともに積もってしまったことだ。
- 鑑賞
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巻第二 春歌下 77
詞書「鳥羽殿におはしましける頃、常見花といへる心を男ども仕うまつりけるついでに、よませ給うける」
白河院が鳥羽殿に住んでいた頃、「常見花(常に花を見る)」という題で近臣たちが歌を詠んだ折に、院みずから詠んだ歌である。桜が咲いたときから散り終えるまで毎日見続けていると、木の下には散った花びらが積もり、それとともに花を見て過ごした日数も積もっていた、と詠む。目に見える花びらと目に見えない日数とを「積もる」の一語でまとめ、花を愛して過ごした春の長さを実感させる一首であり、春歌下の巻頭を飾る。
作者の「白河院御製」は白河天皇である。後三条天皇の第一皇子で、譲位ののちも上皇として長く院政を行った。鳥羽殿は院が京の南の鳥羽に営んだ離宮である。
初句「咲きしより」の「し」は過去の助動詞「き」の連体形で、花が咲いたその時から、の意となる。巻第一の巻末の第七十六首が花盛りを詠んで結んだのを受け、本巻は咲いてから散るまでの全体を見渡す歌で幕を開ける。
二句「散るまで見れば」は、已然形に「ば」が付いた確定条件で、散るまで見続けていると、の意である。詞書の題「常見花」をこの句で表している。
三句「木のもとに」は、桜の木の下に、の意である。本巻の第八十一首「散る木のもとに」も同じく花の散り敷く木の下を詠む。
四句「花も日数も」は、散った花びらと過ぎた日数とを「も」で並べる。本巻の第百三十二首「散らぬ日数」は、花の散らない日数がふえることを願う歌で、日数の上で本歌と呼応する。
結句「積もりぬるかな」の「ぬる」は完了の助動詞「ぬ」の連体形、「かな」は詠嘆の終助詞である。花びらが積もることと日数が積もることを一語で表し、気づけば長い時が過ぎていたという感慨を込める。
ひかず:日の数、日数
- 作者
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白河院
- 出典
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千載和歌集
- 前の歌
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み吉野の花の盛りを今日見れば 越の白嶺に春風ぞ吹く
- 次の歌
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池水に汀の桜散りしきて 浪の花こそ盛りなりけれ