むらむらに咲ける垣根の卯の花は
木の間の月の心地こそすれ
- 歌の意味
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ところどころに群がって咲いている垣根の卯の花は、木の間から漏れさす月の光のような感じがする。
- 鑑賞
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巻第三 夏歌 139
詞書「卯花をよめる」
「卯の花」を題として詠んだ歌である。垣根のところどころに群がって咲く白い卯の花は、木々の間から漏れさす月の光のように見える、と詠む。卯の花の白さを月光に見立てる伝統的な趣向を、群がって咲く花のまだらと、木の間から漏れる月光のまだらとを重ねることで、具体的な景として描いている。
作者の「左京大夫顕輔」は藤原顕輔である。修理大夫藤原顕季の子で、左京大夫を務め、正三位に至った。崇徳院の院宣を受けて詞花和歌集を撰び、小倉百人一首にも歌が採られている。
本歌から第百四十四首までの六首は、卯の花を詠む一連である。白い花を月光や白雪に見立て、垣根に咲く花として詠むものが多い。
初句「むらむらに」は、ところどころまとまって、群がって、の意である。
二句「咲ける垣根の」の「る」は存続の助動詞「り」の連体形である。卯の花は垣根に植えられることが多かった。本巻の第百四十二首、第百四十三首、第百四十四首も垣根の卯の花を詠む。
三句「卯の花は」は、一首の主題を示す。
四句「木の間の月の」は、木々の間から漏れさす月の光の、の意で、白い卯の花を月光に見立てる。次歌の第百四十首も卯の花と月光とを取り合わせる。
結句「心地こそすれ」の「こそ」は係助詞で、「すれ」と已然形で結ぶ。
うのはな:ウツギの花で、初夏に白い花を咲かせる
このま:木と木の間
- 作者
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藤原顕輔
- 出典
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千載和歌集
- 前の歌
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飽かで行く春の別れにいにしへの 人やうづきと言ひはじめけん
- 次の歌
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夕月夜ほのめく影も卯の花の 咲けるわたりはさやけかりけり