一声はさやかに鳴きて時鳥
雲路はるかに遠ざかるなり
- 歌の意味
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一声だけははっきりと鳴いて、時鳥は雲の中の道をはるか遠くへ遠ざかってゆくようだ。
- 鑑賞
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巻第三 夏歌 159
詞書は前の歌に続き「郭公の歌とてよめる」
前歌と同じく「時鳥」を題として詠んだ歌である。時鳥が一声だけはくっきりと鳴き、そのあとは雲の中の道をはるか遠くへ去ってゆく、と詠む。鮮やかな一声と、しだいに遠ざかってかすかになる声との対比によって、飛び去る時鳥の動きを耳でとらえた一首である。
作者の「前右京権大夫頼政」は源頼政である。兵庫頭源仲正の子で、従三位に至った。治承四年(1180)、以仁王を奉じて平家打倒の兵を挙げ、宇治で敗れて自害した。武人でありながら歌人としても名高い。
初句「一声は」の「は」は他と区別して示し、一声だけは、の意となる。本巻の第百五十五首「夜半の一声」も時鳥の一声を詠む。
二句「さやかに鳴きて」の「さやかに」は、はっきりと、の意である。
三句「時鳥」は、一首の主語を示す。
四句「雲路はるかに」の「雲路」は、雲の中の道、空の道をいう。本巻の第百五十六首から雲と時鳥の取り合わせが続く。
結句「遠ざかるなり」の「なり」は音や声をもとに判断する推定の助動詞で、遠ざかってゆくようだ、の意である。
くもぢ:雲の中の道、空の道
- 作者
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源頼政
- 出典
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千載和歌集
- 前の歌
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風越を夕越えくれば時鳥 麓の雲の底に鳴くなり
- 次の歌
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思ふことなき身なりせば時鳥 夢に聞く夜もあらましものを