夜を重ね寝ぬよりほかに時鳥
いかに待ちてか二声は聞く
- 歌の意味
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幾夜も重ねて寝ずにいること以外に、時鳥よ、いったいどのように待てば二声目を聞くことができるのか。
- 鑑賞
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巻第三 夏歌 166
詞書「右大将実房中将に侍りける時、十五首歌よませ侍りけるによめる」
右大将三条実房がまだ中将であった頃、人々に十五首歌を詠ませた際の一首である。幾夜も寝ずに待ち続けるほかに、時鳥の二声目を聞く方法はあるのだろうか、いったいどう待てば聞けるのか、と嘆く。寝ずに待つことをすでに重ねてきた者が、それ以上の待ち方を問う形で、二声目を聞くことの難しさと、執拗に待つ心とを表している。
作者の「道因法師」は俗名を藤原敦頼といい、治部丞藤原清孝の子である。右馬助に至ったのち出家した。高齢まで和歌に執心したことで知られ、小倉百人一首にも歌が採られている。
なお本文の結句は「二こゑはきく」とあり、読み仮名の行の「ひとこゑはきく」と一致しない。ここでは本文の表記に従う。
初句「夜を重ね」は、幾夜も重ねて、の意である。
二句「寝ぬよりほかに」の「ぬ」は打消の助動詞「ず」の連体形で、寝ないでいること以外に、の意となる。本巻の第百四十八首、第百四十九首も、時鳥を待って寝ない夜を詠む。
三句「時鳥」は、時鳥への呼びかけである。
四句「いかに待ちてか」の「か」は疑問の係助詞で、結句の「聞く」と連体形で結ぶ。どのように待てば、と方法を問う。
結句「二声は聞く」は、二声目は聞くのか、の意である。本巻の第百四十九首の初句「二声と」と同じく、一声に続く二声目を待つ心を詠む。
かさぬ:重ねる
- 作者
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道因
- 出典
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千載和歌集
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過ぎぬるか夜半の寝覚めの時鳥 声は枕にある心地して
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心をぞ尽くし果てつる時鳥 ほのめく宵の村雨の空