- 歌の意味
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五月の闇夜に、二村山の時鳥が、峰から峰へと続いて鳴く声を聞くことだ。
- 鑑賞
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巻第三 夏歌 193
詞書「堀河院御時、后の宮にて、閏五月郭公といへる心をよみ侍りける」
堀河天皇の時代、中宮の御所で、「閏五月郭公(閏五月の時鳥)」という題で詠んだ歌である。五月の闇の中、二村山の時鳥が峰から峰へと続いて鳴いている声を聞く、と詠む。閏月で五月が二度あることを、「二村山」の「二」と、峰から峰へ続く声とに響かせ、重ねて訪れた五月の時鳥を描いている。時鳥の一連はここで結ばれる。
作者の「権中納言俊忠」は藤原俊忠である。権大納言藤原忠家の子で、権中納言に至った。千載和歌集の撰者藤原俊成の父にあたる。
初句「五月闇」は、五月雨の頃の、月もなく暗い夜をいう。本巻の第百九十五首、第百九十六首も同じ「五月闇」を初句とする。
二句「二村山の」の「二村山」は尾張国の歌枕である。「二」の字が、閏月によって五月が二度あることと響き合う。
三句「時鳥」は、四句以下の主語を示す。
四句「峰続き鳴く」は、峰から峰へと続いて鳴く、の意である。二つの五月にわたって鳴き続ける時鳥を思わせる。
結句「声を聞くかな」の「かな」は詠嘆である。本巻の第百八十八首から続いた五月雨の頃の時鳥の一連を結ぶ。
さつきやみ:五月雨の頃の、月もなく暗い夜
うるふ:暦と季節のずれを調整するために加える月
ふたむらやま:尾張国の歌枕
- 作者
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藤原俊忠
- 出典
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千載和歌集
- 前の歌
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などてかく思ひ初めけん時鳥 雪の深山の法の末かは
- 次の歌
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照射する宮城が原の下露に しのぶもぢずり乾く夜ぞなき