さらぬだに光涼しき夏の夜の
月を清水に宿してぞ見る
- 歌の意味
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そうでなくてさえ光の涼しい夏の夜の月を、清水に映して眺めることだ。
- 鑑賞
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巻第三 夏歌 213
詞書「題しらず」
ただでさえ光の涼しげな夏の夜の月を、さらに清水に映して眺め、いっそうの涼しさを味わう、と詠む。月光の涼しさに清水の涼しさを重ね、二重の涼しさをもって夏の夜を過ごす心を表している。
作者の「顕昭法師」は藤原顕輔の猶子となった僧である。六条藤家の歌学を受け継いだ歌学者で、「袖中抄」などの注釈書を著した。
初句「さらぬだに」は、そうでなくてさえ、の意である。
二句「光涼しき」は、光が涼しげな、の意である。
三句「夏の夜の」は、四句の「月」にかかる。本巻の第二百十六首も「夏の夜の月」を詠む。
四句「月を清水に」は、月を清水に、の意である。前の二首が清水の音や流れを詠んだのに対し、本歌は清水に映る月を詠む。
結句「宿してぞ見る」の「宿す」は水に映す意、「ぞ」は係助詞で、「見る」と連体形で結ぶ。
やどす:水などに映す
- 作者
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顕昭
- 出典
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千載和歌集
- 前の歌
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岩間もる清水を宿にせきとめて ほかより夏を過ぐしつるかな
- 次の歌
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せきとむる山下水に水隠れて すみけるものを秋のけしきは