秋の夜を物思ふことの限りとは
ひとり寝覚めの枕にぞ知る
- 歌の意味
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秋の夜こそが恋の物思いの極みであるということを、独り寝の夜にふと目覚めた枕の上で思い知ることだ。
- 鑑賞
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巻第十五 恋歌五 952
詞書「秋夜恋といへる心を詠める」
「秋の夜の恋」という題で詠んだ歌である。秋の夜が物思いの極みであるとは、独り寝の寝覚めの枕で知る、と詠む。もの寂しい秋の長い夜に、恋人もなく独りで寝て夜中にふと目覚めると、物思いはこの上なく深まり、秋の夜こそ物思いの限りであると身にしみて悟ると、秋の夜の独り寝の寂しさを詠んでいる。
作者の「顕昭法師」は左京大夫藤原顕輔の猶子である。六条藤家の歌学者として知られ、「袖中抄」などの歌学書を著した。
本巻の第九百四十九首の「秋の別れ」に続き、秋の夜の恋を詠む。また第九百二十首が枕を人に見立てて独り寝の床を詠んだのと同じく、本歌も独り寝の寂しさを枕に託している。
初句「秋の夜を」は、秋の夜を、の意で、題の「秋夜」を受ける。本巻の第九百四十九首の二句「秋の別れに」と「秋」の語を共有する。
二句「物思ふことの」は、恋の物思いをすることの、の意である。
三句「限りとは」の「限り」は極み、この上ないことの意で、秋の夜が物思いの極みであるとは、の意である。
四句「ひとり寝覚めの」の「寝覚め」は夜中にふと目覚めることで、独り寝の夜の寝覚めをいう。本巻の第九百五十七首の四句「ひとりは寝なん」と、独り寝を詠む点で通う。
結句「枕にぞ知る」の「ぞ」は強意の係助詞で、「知る」の連体形で結ぶ。枕の上で思い知る、の意である。本巻の第九百二十首の二句「如何に枕の」と「枕」の語を共有する。
ねざめ:夜中にふと目覚めること
かぎり:極み、この上ないこと
- 作者
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顕昭
- 出典
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千載和歌集
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しかばかり契りし中も変はりける この世に人を頼みけるかな
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よしさらば君に心は尽くしてん 又も恋しき人もこそあれ