- 歌の意味
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織女は天の羽衣を重ねて共寝をしても、なお飽き足りない契りを、さらに結ぶのだろうか。
- 鑑賞
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巻第四 秋歌上 237
詞書「堀河院御時、百首歌奉りける時、よめる」
堀河天皇の時代に歌人たちが百首ずつ詠進した堀河百首で、七夕を詠んだ歌である。織女と牽牛とは、天の羽衣を重ねて共寝をしても、なお飽き足りない契りを、さらに固く結ぶのだろうか、と詠む。一年に一度の逢瀬の名残惜しさを、衣を「重ねる」ことと契りを「結ぶ」こととに託して表している。
作者の「二条太皇太后宮肥後」は肥後守藤原定成の娘である。京極関白藤原師実の家に長く仕え、のちに白河天皇の皇女で二条太皇太后と呼ばれた令子内親王に仕えた。堀河百首の作者の一人である。
本歌と次歌の第二百三十八首は、ともに堀河百首の七夕の歌である。前歌の第二百三十六首が舟出を詠んだのに続き、本歌は逢瀬そのものを詠む。
初句「七夕の」は、織女をいい、二句の「天の羽衣」にかかる。
二句「天の羽衣」は、天人が着て空を飛ぶという衣で、ここでは織女の衣をいう。前歌の第二百三十六首「天つ領巾」に続き、織女の衣装を詠む。
三句「重ねても」は、衣を重ねて共寝をしても、の意である。「羽衣」「重ね」「結ぶ」は衣に関わる縁語の関係にある。
四句「飽かぬ契りや」の「飽かぬ」は満ち足りない、名残の尽きない意、「契り」は男女の縁、約束である。「や」は疑問の係助詞で、結句の「らん」と係り結びをなす。
結句「なほ結ぶらん」の「結ぶ」は契りを結ぶ意で、衣の紐を結ぶ意とも響き合う。「らん」は現在推量の助動詞の連体形で、「や」の結びとなる。
あまのはごろも:天人が着て空を飛ぶという衣
ちぎり:男女の縁、約束
- 作者
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肥後
- 出典
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千載和歌集
- 前の歌
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七夕の天つ領巾吹く秋風に 八十の船津を御船出づらし
- 次の歌
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恋ひ恋ひて今宵ばかりや七夕の 枕に塵の積もらざるらん