- 歌の意味
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七夕の織女に、花の色に染めた衣を脱いで貸したところ、暁の露がそれを返してよこしたのであった。
- 鑑賞
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巻第四 秋歌上 240
詞書「百首の歌の中に、七夕の心をよませ給うける」
崇徳院が召した百首歌の中で、院みずから「七夕」の心を詠んだ歌である。七夕の夜に織女へ花の色に染めた衣を脱いで貸したところ、夜明けに置いた暁の露がその衣を返してよこした、と詠む。七夕に衣を供えて織女に貸すという風習を踏まえ、露に濡れた衣が戻ってくるさまを、露が衣を返したと見立てている。
作者の「崇徳院御製」は崇徳天皇の詠である。鳥羽天皇の第一皇子で、保元の乱に敗れて讃岐に配流され、その地で没した。和歌を深く愛し、久安百首を召したことでも知られる。小倉百人一首にも歌が採られている。
七夕の夜に衣を供え、織女に貸すという習わしは、古くから七夕の歌に詠まれてきた。
なお本文の結句は「かへすなりけり」とあり、読み仮名の行の「かくすなりけり」と一致しない。ここでは本文の表記に従う。
初句「七夕に」は、織女に、の意で、衣を貸す相手を示す。
二句「花染め衣」は、花の色で染めた衣をいい、移ろいやすい色の衣である。
三句「脱ぎかせば」は「脱ぎ貸せば」で、已然形に「ば」が付いた確定条件である。脱いで貸したところ、の意となる。
四句「暁露の」は、夜明け前に置く露の、の意である。前歌の第二百三十九首が夜明けを詠んだのを受け、暁の景へと移る。
結句「かへすなりけり」の「かへす」は返す意で、「なりけり」は、〜であったのだ、という気づきを表す。露に濡れて戻った衣を、暁露が返したものと見立てる。
はなぞめごろも:花の色で染めた衣
ぬぎかす:脱いで貸す
あかつきつゆ:夜明け前に置く露
- 作者
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崇徳院
- 出典
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千載和歌集
- 前の歌
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七夕の天の河原の岩枕 交はしも果てず明けぬこの夜は
- 次の歌
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天の川心をくみて思ふにも 袖こそ濡るれ暁の空