木枯らしの雲吹き払ふ高嶺より
冴えても月の澄みのぼるかな
- 歌の意味
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木枯らしが雲を吹き払った高い峰から、冷え冷えと冴えて、月が澄みわたりながらのぼってゆくことだ。
- 鑑賞
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巻第四 秋歌上 276
詞書「堀河院御時、百首歌奉りける時、よめる」
堀河百首で月を詠んだ歌である。冷たい木枯らしが雲をすっかり吹き払った高い峰から、冷え冷えと冴えわたった月が、澄んだ光を放ちながらのぼってゆく、と詠む。木枯らしの冷たさと月光の冴えとを重ね、晩秋の夜空の澄みきった厳しい美しさをとらえている。
作者の「源俊頼朝臣」は大納言源経信の子である。堀河院歌壇の中心的な歌人で、白河院の院宣を受けて金葉和歌集を撰び、歌論書「俊頼髄脳」を著した。小倉百人一首にも歌が採られている。
本歌と次歌の第二百七十七首は、ともに堀河百首の月の歌である。前歌の第二百七十五首が高嶺の雲の向こうで暮れを待つ月を詠んだのに続き、本歌はその雲が払われ、高嶺から月がのぼるさまを詠む。
初句「木枯らしの」の「木枯らし」は、秋の末から冬にかけて吹く強く冷たい風である。
二句「雲吹き払ふ」は、雲をすっかり吹き払う、の意である。前歌の第二百七十五首が雲の向こうの月を詠んだのを受け、雲の払われた空を示す。
三句「高嶺より」は、高い峰から、の意である。前歌の第二百七十五首「高嶺の雲の」と同じく高嶺を詠む。
四句「冴えても月の」の「冴ゆ」は冷え冷えとする意で、月光の冷たく澄んだ輝きをいう。
結句「澄みのぼるかな」は、澄みわたりながらのぼってゆく、の意で、「かな」は詠嘆の終助詞である。
こがらし:秋の末から冬にかけて吹く強く冷たい風
さゆ:冷え冷えとする
- 作者
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源俊頼
- 出典
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千載和歌集
- 前の歌
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秋の月高嶺の雲のあなたにて 晴れゆく空の暮るる待ちけり
- 次の歌
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いづこにも月は分かじをいかなれば さやけかるらむ更級の山