明日も来む野路の玉川萩越えて
色なる波に月宿りけり
- 歌の意味
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明日もまた来よう。野路の玉川では、萩の花を越えて流れる、花の色に染まった波に月が宿っていた。
- 鑑賞
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巻第四 秋歌上 281
詞書「権中納言俊忠、桂の家にて、水上月といへる心をよみ侍りける」
権中納言藤原俊忠の桂の邸で、「水上月(水の上の月)」という題で詠んだ歌である。野路の玉川では、川岸の萩の花を越えて流れる水が萩の色に染まり、その色づいた波に月の光が宿っていた、明日もまたここへ来よう、と詠む。萩の花の色と月光とが波の上に重なる美しい景を、また来たいという思いとともに描いている。
作者の「源俊頼朝臣」は大納言源経信の子である。堀河院歌壇の中心的な歌人で、白河院の院宣を受けて金葉和歌集を撰び、歌論書「俊頼髄脳」を著した。小倉百人一首にも歌が採られている。
野路の玉川は近江国の歌枕で、六玉川の一つに数えられる萩の名所である。本巻の第二百九十六首「宿る月影」も、露に月が宿ると詠む。
初句「明日も来む」の「む」は意志の助動詞で、明日もまた来よう、の意である。ここで句切れとなる。
二句「野路の玉川」は、近江国の歌枕で、萩の名所である。
三句「萩越えて」は、川岸の萩の花を越えて波が流れる、の意である。
四句「色なる波に」は、萩の花の色に染まった波に、の意である。
結句「月宿りけり」の「けり」は気づきを表す。色づいた波に月の光が映るさまを、月が宿ると詠む。本巻の第二百九十六首も「宿る月影」と詠む。
のぢのたまがは:近江国の歌枕で、六玉川の一つに数えられる萩の名所
- 作者
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源俊頼
- 出典
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千載和歌集
- 前の歌
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月見ればはるかに思ふ更級の 山も心のうちにぞありける
- 次の歌
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玉寄する浦わの風に空晴れて 光を交はす秋の夜の月