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おぼろけの色とや人の思ふらむ
をぐらの山を照らす紅葉葉

歌の意味
ありきたりの色だと人は思っているのだろうか。小暗いという名の小倉山を明るく照らしている紅葉を。
鑑賞
巻第五 秋歌下 356

詞書「題しらず」
 人はこれをありきたりの色だと思っているのだろうか、小暗いという名を持つ小倉山を明るく照らし出している紅葉を、と詠む。「小倉」の名に「小暗し」を読み取り、その暗いはずの山を照らすほどの紅葉の色が並のものではないことを、問いかけの形で強調している。
 作者の「道命法師」は藤原道綱の子である。天台宗の僧で、読経の美声で知られた。中古三十六歌仙の一人である。

 初句「おぼろけの」は、ありきたりの、並ひととおりの、の意である。
 二句「色とや人の」の「や」は疑問の係助詞で、三句の「らむ」と連体形で結ぶ。
 三句「思ふらむ」の「らむ」は現在推量で、人は思っているのだろうか、と問う。ここで句切れとなり、四句以下と倒置の関係にある。
 四句「をぐらの山を」の「をぐら」は、山城国の嵯峨にある小倉山の名と、「小暗し」の意を掛ける掛詞である。
 結句「照らす紅葉葉」は体言止めである。「照らす」は四句の「小暗し」と対をなし、暗い山を明るくする紅葉の鮮やかさを示す。

をぐらやま:山城国の嵯峨にある山の名で、「小暗し」の意を掛ける
もみぢば:紅葉した木の葉
作者
道命
出典
千載和歌集
前の歌
時雨れゆく四方の梢の色よりも 秋は夕べの変はるなりけり
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君見むと心やしけむ竜田姫 紅葉の錦色を尽くせり