明けぬともなほ秋風はおとづれて
野辺のけしきよ面変はりすな
- 歌の意味
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夜が明けて冬になってしまっても、やはり秋風は訪れてくれ。野辺の景色よ、様子を変えてくれるな。
- 鑑賞
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巻第五 秋歌下 384
詞書は前の歌に続き「雲居寺結縁経の後宴に歌合し侍りけるに、九月尽の心をよみ侍りける」
雲居寺の結縁経の後宴で催された歌合で、九月尽の題で詠んだ歌である。今夜が明ければ暦の上では冬になってしまうが、それでもやはり秋風は訪れてほしい、野辺の景色よ、その姿を変えてくれるな、と詠む。秋の最後の夜に、明日からの季節の変化を拒むように呼びかけ、秋を惜しむ心を表している。
作者の「源俊頼朝臣」は大納言源経信の子である。堀河院歌壇の中心的な歌人で、白河院の院宣を受けて金葉和歌集を撰び、歌論書「俊頼髄脳」を著した。小倉百人一首にも歌が採られている。
九月尽は陰暦九月の末日で、秋の最後の日にあたる。前歌の第三百八十三首と同じ歌合で詠まれた歌である。
初句「明けぬとも」の「ぬ」は完了の助動詞で、「とも」は逆接の仮定である。夜が明けてしまっても、の意で、九月尽の夜が明けて冬になることをいう。
二句「なほ秋風は」の「なほ」は、やはり、それでもなお、の意である。
三句「おとづれて」の「おとづる」は訪れる意で、音を立てる意も響く。秋風に訪れ続けてほしいと願う。
四句「野辺のけしきよ」の「けしき」は様子、ありさまで、「よ」は呼びかけである。野辺の景色を擬人化して呼びかける。
結句「面変はりすな」の「面変はり」は顔つきや様子が変わることで、「な」は禁止の終助詞である。様子を変えてくれるな、と結ぶ。
おとづる:訪れる、また音を立てる
おもがはり:顔つきや様子が変わること
けしき:様子、ありさま
- 作者
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源俊頼
- 出典
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千載和歌集
- 前の歌
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唐錦幣にたちもて行く秋も 今日や手向の山路越ゆらん
- 次の歌
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竜田山散る紅葉葉を来て見れば 秋は麓に帰るなりけり