隙もなく散る紅葉葉に埋もれて
庭の気色も冬籠もりけり
- 歌の意味
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絶え間なく散る紅葉の葉に埋もれて、庭の景色までも冬ごもりしてしまったことだ。
- 鑑賞
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巻第六 冬歌 390
詞書「百首歌召しける時、初冬の心をよませ給うける」
崇徳院が百首歌を召した折に、自ら初冬の題で詠んだ歌である。絶え間なく散る紅葉に埋もれて、庭の景色までもが冬ごもりしてしまった、と詠む。人が家にこもる冬ごもりを庭の景色に移し、紅葉に覆われて静まりかえった初冬の庭を描いている。
作者の「崇徳院御製」は第七十五代の崇徳天皇である。鳥羽天皇の皇子で、保元の乱に敗れて讃岐に流された。久安百首を企て、藤原顕輔に詞花和歌集を撰ばせた。小倉百人一首にも歌が採られている。
第三百九十首から第三百九十四首までの五首は、崇徳院の久安百首から採られた初冬の歌である。久安百首は、崇徳院が藤原顕輔、藤原俊成らに召した百首歌で、久安六年(1150)に詠進された。
初句「隙もなく」は、すき間もなく、絶え間なく、の意で、紅葉が散るさまの激しさを示す。
二句「散る紅葉葉に」の「紅葉葉」は紅葉した木の葉である。前歌の第三百八十九首の柴の間の氷に対し、本歌は散り敷く紅葉によって冬の訪れを示す。
三句「埋もれて」は、紅葉に覆い隠されて、の意である。
四句「庭の気色も」の「気色」は様子、ありさまで、「も」は、人ばかりでなく庭までも、の意を添える。
結句「冬籠もりけり」の「冬籠もる」は冬の間家にこもる意で、庭を人のように扱う擬人法である。「けり」は詠嘆の助動詞である。
もみぢば:紅葉した木の葉
けしき:様子、ありさま
ふゆごもる:冬の間、家などにこもって過ごす
- 作者
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崇徳院
- 出典
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千載和歌集
- 前の歌
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泉川水のみわたのふしづけに 柴間の氷る冬は来にけり
- 次の歌
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さまざまの草葉も今は霜枯れぬ 野辺より冬や立ちて来つらん