冬来ては一夜二夜を玉笹の
葉分けの霜のところせきまで
- 歌の意味
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冬が来てからは、一夜二夜と重ねるうちに、笹の葉の一枚一枚に置く霜が、所狭しと置き満ちるまでになった。
- 鑑賞
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巻第六 冬歌 400
詞書「冬のはじめの歌とてよめる」
冬のはじめの歌として詠んだものである。冬が来てからは、一夜二夜と夜を重ねるうちに、笹の葉ごとに置く霜が所狭しと置き満ちるまでになった、と詠む。わずかな夜の数で霜が笹の葉を覆いつくすさまに、冬の深まりの速さを見ている。
作者の「藤原定家」は本集の撰者藤原俊成の子である。のちに新古今和歌集、新勅撰和歌集の撰者となり、小倉百人一首を選んだとされる。
本巻の第三百九十七首から本歌までの四首は、霜を詠む歌が続く。前の三首が一夜の暁や夜更けの霜を詠むのに対し、本歌は「一夜二夜」と幾夜かの積み重なりとして霜を詠み、同じ主題を異なる時の尺度で扱っている。
初句「冬来ては」は、冬が来てからは、の意である。本巻の第四百四十首も「冬来れば」と冬の訪れから歌い起こす。
二句「一夜二夜を」は、一夜、二夜と夜を重ねて、の意で、霜の積み重なる時の短さを示す。前歌の第三百九十九首が一夜の更けゆくさまを詠むのに対し、本歌は幾夜かの経過を詠む。
三句「玉笹の」の「玉笹」は笹の美称である。
四句「葉分けの霜の」の「葉分け」は、葉の一枚一枚、葉ごとの意である。
結句「ところせきまで」の「ところせし」は、場所が狭い、いっぱいであるの意で、霜が葉の上に満ちるさまをいう。言いさしの形で余情を残して結ぶ。
たまざさ:笹の美称
はわけ:葉の一枚一枚、葉ごと
- 作者
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藤原定家
- 出典
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千載和歌集
- 前の歌
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久木生ふる小野の浅茅に置く霜の 白きを見れば夜や更けぬらん
- 次の歌
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霜冴えて枯れゆく小野の岡辺なる 楢の広葉に時雨降るなり