- 歌の意味
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水鳥が玉藻を床として浮き寝する、その浮いたつらい枕よ。その深い物思いでは、いったい誰がまさっているのだろうか。
- 鑑賞
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巻第六 冬歌 431
詞書「堀河院の御時、百首歌たてまつりける時、よめる」
堀河天皇の時代に百首歌を詠進した折の歌で、堀河百首の水鳥の題の歌である。水鳥が玉藻を床として浮き寝するその枕よ、深い物思いでは誰がまさっているのだろうか、と詠む。水の深さの上に浮き寝する水鳥と、深い物思いに眠れない自分とを比べ、つらさの深さを競わせるかのように詠んでいる。
作者の「前中納言匡房」は大江成衡の子である。学者として名高く、権中納言、大宰権帥を務めた。小倉百人一首にも歌が採られている。
第四百二十九首から第四百三十七首までの九首は、水鳥を詠む歌である。鴛鴦や鴨などの水鳥は、冬の水辺の景物とされた。堀河百首は、堀河天皇の時代に源俊頼、藤原公実らが題を分けて百首ずつ詠んだもので、後の百首歌の規範となった。
初句「水鳥の」は、前歌の第四百三十首の初句「水鳥を」を受ける。
二句「玉藻の床の」の「玉藻」は藻の美称で、水鳥が藻を床として寝ることをいう。本巻の第四百三十三首も「玉藻の船」と玉藻を詠む。
三句「うき枕」の「うき」は、水に浮く意の「浮き」と、つらい意の「憂き」とを掛ける掛詞である。前歌の第四百三十首の「うきたる」と同じ掛詞を受けている。ここで句切れとなる。
四句「深き思ひは」の「深き」は、水の深さを連想させつつ、物思いの深さをいう。
結句「誰かまされる」の「か」は疑問の係助詞で、「る」と連体形で結ぶ。水鳥と自分と、どちらの思いがまさるのか、と問う。
たまも:藻の美称
うきまくら:水に浮く意の「浮き」と、つらい意の「憂き」を掛ける。水上での浮き寝の枕
- 作者
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大江匡房
- 出典
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千載和歌集
- 前の歌
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水鳥を水の上とやよそに見む 我もうきたる世を過ぐしつつ
- 次の歌
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この頃の鴛鴦の浮き寝ぞあはれなる 上毛の霜よ下の氷よ