山里の垣根は雪に埋もれて
野辺と一つになりにけるかな
- 歌の意味
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山里の垣根は雪に埋もれて、野辺と一つになってしまったことだ。
- 鑑賞
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巻第六 冬歌 457
詞書「雪の歌とてよみ侍りける」
雪の歌として詠んだものである。山里の垣根は雪に埋もれて、野辺と一つになってしまった、と詠む。家と野とを隔てていた垣根が雪に覆われて見えなくなり、あたり一面が区別のない白一色の景色となったさまを描いている。
作者の「右のおほいまうちきみ」は藤原実定である。右大臣藤原公能の子で、本集が撰ばれた当時は右大臣であり、のちに左大臣に至った。後徳大寺左大臣と呼ばれ、小倉百人一首にも歌が採られている。
第四百四十五首から第四百六十七首まで、雪を詠む歌が続く。第四百五十七首から第四百六十首までの四首は、同じ詞書のもとに置かれた雪の歌である。本巻の第四百六十八首は「山里の垣根の梅は咲きにけり」と、本歌と同じく山里の垣根を詠む。本歌が雪に埋もれた垣根を詠むのに対し、第四百六十八首は年内に梅の咲いた垣根を詠み、雪と梅という対照をなしている。
初句「山里の」は、都を離れた山あいの里である。本巻の第四百六十八首も同じ初句で始まる。
二句「垣根は雪に」の「垣根」は、家の敷地を囲う垣である。
三句「埋もれて」は、雪に埋もれて、の意である。本巻の第四百五十一首、第四百五十四首などと同じく、雪に埋もれるものを詠む。
四句「野辺と一つに」は、垣根の内と外の野辺との区別がなくなり、一つになったことをいう。
結句「なりにけるかな」の「に」は完了の助動詞、「ける」は詠嘆の助動詞の連体形、「かな」は詠嘆の終助詞で、感動をこめて結ぶ。
かきね:家の敷地を囲う垣
のべ:野のあたり
- 作者
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藤原実定
- 出典
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千載和歌集
- 前の歌
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波かけば汀の雪も消えなまし 心ありても凍る池かな
- 次の歌
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跡も絶え栞も雪に埋もれて かへる山路に惑ひぬるかな