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雪降れば木々の梢に咲きそむる
枝よりほかの花も散りけり

歌の意味
雪が降ると、木々の梢に咲きはじめる花がある。そして、枝から散るのではない花も散るのだった。
鑑賞
巻第六 冬歌 466

詞書は前の歌に続き「雪の歌とてよめる」
 雪の歌として詠んだものである。雪が降ると、木々の梢に咲きはじめる花がある、そして枝から散るのではない花も散るのだった、と詠む。梢に積もる雪を咲いた花に、空から舞い降りる雪を散る花に見立て、冬の雪景色の中に春の花の情景を重ねている。
 作者の「俊恵法師」は源俊頼の子である。東大寺の僧で、京の白川の僧坊を歌林苑と名づけ、多くの歌人が集う場とした。小倉百人一首にも歌が採られている。
 第四百四十五首から第四百六十七首まで、雪を詠む歌が続く。前歌の第四百六十五首と本歌は、同じ詞書のもとに置かれた雪の歌である。本巻の第四百四十九首も、雪を菊の後に咲く花と見立てている。

 初句「雪降れば」は、本巻の第四百五十四首と同じ初句で、雪が降ると、の意である。
 二句「木々の梢に」の「梢」は木の枝の先である。本巻の第四百五十四首も雪の積もる梢を詠む。
 三句「咲きそむる」の「そむ」は、〜しはじめる意で、梢に積もった雪を咲きはじめた花に見立てる。
 四句「枝よりほかの」は、枝から散るのではない、の意で、空から降る雪を指す。
 結句「花も散りけり」の「花」は雪を花に見立てたもので、「けり」は詠嘆の助動詞である。枝に咲く花と、空から散る花との二つの見立てを重ねて結ぶ。

こずゑ:木の枝の先、木の上の部分
さきそむ:咲きはじめる
作者
俊恵
出典
千載和歌集
前の歌
真柴刈る小野の細道跡絶えて 深くも雪のなりにけるかな
次の歌
降るままに跡絶えぬれば鈴鹿山 雪こそ関の鎖しなりけれ