忘るなよかへる山路に跡絶えて
日数は雪のふり積もるとも
- 歌の意味
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忘れないでくれ。帰山の山路に人の通う跡が絶え、雪が降り積もるように、離れている日数が積もり重なったとしても。
- 鑑賞
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巻第七 離別歌 481
詞書は前の歌に続き「堀河院御時、百首歌たてまつりける時、別れの心をよみ侍りける」
堀河百首の別れの題の歌である。越の国の帰山の山路に人の行き来が絶え、雪が降り積もるように別れてからの日数が積もっていっても、私を忘れないでくれ、と詠む。北国への旅を思わせる帰山の名に、帰ってきてほしいという願いを託し、雪に閉ざされて便りも途絶える長い隔たりを、降り積もる雪で表している。
作者の「源俊頼朝臣」は大納言源経信の子である。堀河院歌壇の中心的な歌人で、白河院の院宣を受けて金葉和歌集を撰び、歌論書「俊頼髄脳」を著した。小倉百人一首にも歌が採られている。
第四百七十九首から続く堀河百首の別れの歌三首の結びである。
初句「忘るなよ」の「な」は禁止の終助詞、「よ」は呼びかけの終助詞で、ここで句切れとなる。本巻の第四百九十六首も同じ「忘るなよ」で始まり、本歌が雪の日数を詠むのに対し、第四百九十六首は月を詠む。
二句「かへる山路に」の「かへる山」は越前国の歌枕の帰山で、「帰る」を掛け、帰ってきてほしいという願いを響かせる。本巻の第四百九十三首も「帰る山路」を詠み、本歌の送る側の願いに対し、帰りを待つ側の嘆きとなっている。
三句「跡絶えて」は、人の行き来の跡が絶えて、の意で、雪に閉ざされて便りも途絶えることをいう。
四句「日数は雪の」は、離れている日数を雪になぞらえる。
結句「ふり積もるとも」の「ふり」に、雪が降る意と、日数が経る意とを掛ける。「とも」は逆接の仮定条件で、積もったとしても、の意である。初句の「忘るなよ」に返る倒置である。
かへるやま:越前国の歌枕の帰山で、「帰る」を掛ける
あと:足跡、人の通った跡
ふる:雪が降る意と、日数が経る意を掛ける
- 作者
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源俊頼
- 出典
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千載和歌集
- 前の歌
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行く末を待つべき身こそ老いにけれ 別れは道の遠きのみかは
- 次の歌
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帰り来む程をばいつと言ひ置かじ 定めなき身は人頼めなり