- 歌の意味
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松の根を枕にする旅寝も、どうしてはかないものであろうか。玉で飾った宮殿の床であっても、いつまでも変わらない寝床であろうか、いやそうではない。
- 鑑賞
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巻第八 羈旅歌 510
詞書は前の歌に続き「百首歌召しける時、旅歌とてよませ給うける」
前歌に続き、崇徳院が久安百首で旅の題を詠んだ歌である。松の根を枕にする旅寝も、どうしてはかないものであろうか、玉で飾った宮殿の床であっても、いつまでも変わらない寝床であろうか、と詠む。旅のつらい寝床も宮殿の美しい床も、無常の世ではともに仮のものにすぎないと悟る、仏教的な無常観をこめている。
作者の「崇徳院御製」は第七十五代の崇徳天皇である。鳥羽天皇の第一皇子で、譲位後に久安百首を召し、詞花和歌集を藤原顕輔に撰ばせた。保元元年(1156)の保元の乱に敗れて讃岐に流され、その地で没した。小倉百人一首にも歌が採られている。
久安百首の旅の歌の一連の二首目である。
初句「松が根の」は、松の根の、の意で、旅寝の枕を示す。本巻の第五百二十首、第五百二十五首も「松が根」を枕として詠む。
二句「枕も何か」の「何か」は反語で、三句の「む」と連体形で結ぶ。
三句「あだならむ」の「あだ」は、はかない、仮のものである、の意で、どうしてはかないものであろうか、いやそうではない、の意となる。ここで句切れとなる。
四句「玉の床とて」の「玉の床」は玉で飾った立派な床、宮殿の寝所をいう。「とて」は、といっても、の意である。
結句「常の床かは」の「かは」は反語で、いつまでも変わらない寝床であろうか、いやそうではない、の意である。玉の床と松が根の枕とを対比させ、ともに無常であることを示す。
まつがね:松の根
たまのゆか:玉で飾った立派な床、宮殿の寝所
- 作者
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崇徳院
- 出典
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千載和歌集
- 前の歌
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狩衣袖の涙に宿る夜は 月も旅寝の心地こそすれ
- 次の歌
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花咲きし野辺の気色も霜枯れぬ これにてぞ知る旅の日数は