包めども涙に袖のあらはれて
恋すと人に知られぬるかな
- 歌の意味
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包み隠していても、涙で濡れた袖によって恋心が表に現れ、恋をしていると人に知られてしまったことだ。
- 鑑賞
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巻第十一 恋歌一 648
詞書は前の歌に続き「題しらず」
恋心を包み隠していても、涙に濡れる袖によって表に現れ、恋をしていると人に知られてしまった、と詠む。どれほど隠そうとしても、袖を濡らす涙が隠しきれない恋の証となってしまうことを嘆いている。
作者の「中院右大臣」は源雅定である。太政大臣源雅実の子で、右大臣に至り、中院右大臣と呼ばれた。
次歌の第六百四十九首も同じ初句「包めども」で始まる。本歌が涙によって恋が人に知られたと詠むのに対し、次歌は耐えきれずに自ら打ち明けたいと詠み、忍ぶ恋の行き着く先を二様に描いている。
初句「包めども」の「包め」は「包む」の已然形で、「ども」が付いて逆接となる。恋心を包み隠していても、の意である。次歌の初句と同じ句である。
二句「涙に袖の」は、涙によって袖が、の意である。
三句「あらはれて」は、隠していた恋心が表に現れて、の意で、涙に濡れた袖が人目につくことをいう。本巻の第六百四十一首の四句「あらはれてだに」と同じ語である。
四句「恋すと人に」は、恋をしていると人に、の意である。
結句「知られぬるかな」の「れ」は受身の助動詞「る」の連用形、「ぬる」は完了の助動詞「ぬ」の連体形で、知られてしまったことだ、の意である。
つつむ:人目をはばかって隠す
- 作者
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源雅定
- 出典
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千載和歌集
- 前の歌
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一目見し人は誰ともしら雲の 上の空なる恋もするかな
- 次の歌
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包めども堪へぬ思ひになりぬれば 問はず語りのせまほしきかな