つれもなき人の心やあふさかの
関路隔つる霞なるらん
- 歌の意味
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つれないあの人の心が、逢うことを隔てる、逢坂の関路に立ちこめる霞なのだろうか。
- 鑑賞
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巻第十一 恋歌一 669
詞書「恋の百首詠み侍りける時、寄霞恋といへる心を詠める」
恋の百首を詠んだ時に、「霞に寄する恋」という題で詠んだ歌である。つれない人の心が、逢坂の関路を隔てる霞なのだろうか、と詠む。「逢坂」に「逢ふ」を掛け、逢うことを妨げるものを関路に立ちこめる霞に見立てて、相手の冷淡な心が二人の間を隔てているのだと嘆いている。
作者の「賀茂重保」は賀茂別雷神社の神主である。賀茂社で歌合を催し、「月詣和歌集」を撰ぶなど、社家の歌壇の中心となった。
本巻の第六百五十九首と同じく結句を「霞なるらん」とし、霞に寄せて恋の妨げを詠む。
初句「つれもなき」は、冷淡な、そっけない、の意である。
二句「人の心や」の「や」は疑問の係助詞で、結句の「らん」と連体形で結ぶ。
三句「あふさかの」の「あふさか」は、恋人に「逢ふ」意と、山城と近江の境の「逢坂」を掛ける。
四句「関路隔つる」の「関路」は関所へ通じる道で、逢坂の関をいう。逢うことを隔てる、の意を重ねる。
結句「霞なるらん」の「らん」は現在推量の助動詞「らむ」の連体形で、二句の「や」を受けて結ぶ。題の「霞」を詠み込む。第六百五十九首の結句と同じ句である。
あふさか:逢ふ意と、地名の逢坂を掛ける
せきぢ:関所へ通じる道
へだつ:間に置いて遠ざける
- 作者
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賀茂重保
- 出典
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千載和歌集
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いかにせむ御垣が原に摘む芹の ねにのみ泣けど知る人のなき
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