- 歌の意味
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暁の嵐の音に連れ立って響いてくる鐘の音を、心の底にまで響き返るようにして聞くことだ。
- 鑑賞
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巻第十七 雑歌中 1149
詞書「題知らず」
暁の嵐に連れ立って響く鐘の音を、心の底に響かせて聞く、と詠む。夜明け前の山に激しい嵐が吹き、その風に乗って寺の鐘の音が聞こえてくる。その音は耳に届くだけでなく、心の奥底にまで響き返り、無常の思いや求道の心を呼び起こすと、山中の暁の厳しく澄んだ情景の中で、鐘の音に深く感じ入る心を詠んでいる。
作者の「円位法師」は西行である。俗名を佐藤義清といい、鳥羽院の北面の武士であったが、二十三歳で出家した。諸国を旅して多くの歌を残した。
本巻の第千百三十四首の結句「澄ましてぞ聞く」と、結句の「〜てぞ聞く」を共有する。また本巻の第千百五十四首が夕暮れの入相の鐘を聞くのに対し、本歌は暁の鐘を聞き、朝夕の鐘の音が対をなしている。
初句「暁の」は、夜明け前のまだ暗いころの、の意である。本巻の第千百三十九首の三句「暁の」と同じ言葉である。
二句「嵐にたぐふ」の「たぐふ」は連れ立つ、伴う意で、嵐とともに響く、の意である。
三句「鐘の音を」は、寺の鐘の音を、の意である。六音の字余りである。本巻の第千百五十四首の二句「入相の鐘を」と「鐘」を共有し、暁と夕暮れの鐘が対をなす。
四句「心の底に」は、心の奥深くに、の意である。
結句「こたへてぞ聞く」の「こたふ」は響き返る意で、「ぞ」は強意の係助詞で、連体形の「聞く」で結ぶ。本巻の第千百三十四首の結句「澄ましてぞ聞く」と「てぞ聞く」を共有する。
たぐふ:連れ立つ、伴う
こたふ:響き返る、反響する
- 作者
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西行
- 出典
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千載和歌集
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思ひやれならはぬ山にすみ染の 袖に露置く秋の気色を
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