卯の花よいでことごとしかけ島の
波もさこそは岩を越えしか
- 歌の意味
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卯の花よ、いやまあ大げさなことだ。かけ島の波も、まさにそのように岩を越えて寄せたものだ。
- 鑑賞
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巻第十八 雑歌下 1181
詞書「卯の花を詠める」
卯の花を詠んだ歌である。卯の花よ、なんとも大げさなことだ、かけ島の波もそのように岩を越えたのだった、と詠む。卯の花が白く咲き乱れるさまを、岩を越えて寄せる白波に見立て、その盛んな咲きぶりを、花に呼びかけて大げさだと戯れたところに誹諧の趣がある。白い卯の花を波に見立てるのは和歌に多い趣向である。
作者の「源俊頼朝臣」は大納言源経信の子である。堀河院の歌壇で活躍し、白河院の命により『金葉和歌集』を撰進した。
誹諧歌の一連の二首目で、前歌の春の花に続き、夏の卯の花を詠む。
初句「卯の花よ」は卯の花への呼びかけで、「よ」は呼びかけの間投助詞である。前歌の第千百八十首の「花」を受けて、夏の花へと移している。
二句「いでことごとし」の「いで」は感動を表す語で、いやもう、の意である。「ことごとし」は大げさだ、仰々しい、の意で、ここで句切れとなる。
三句「かけ島の」は地名と解される。
四句「波もさこそは」の「さ」は、そのように、の意で、卯の花の咲くさまを指す。「こそ」は強意の係助詞で、結句の「しか」で結ぶ。
結句「岩を越えしか」の「しか」は過去の助動詞「き」の已然形で、係り結びの結びとなる。岩を越える白波に、卯の花の白さを重ねている。
うのはな:ウツギの花、初夏に白い花を咲かせる
かけしま:地名と解される
- 作者
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源俊頼
- 出典
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千載和歌集
- 前の歌
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怪しくも花のあたりに伏せるかな 折らばとがむる人やあるとて
- 次の歌
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今日かくる袂に根させあやめ草 うきはわが身にありと知らずや