住吉の松の行き合ひの隙よりも
月冴えぬれば霜は置きけり
- 歌の意味
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住吉の松の枝が行き交う隙間からも、月の光が冴えわたって射し込むので、霜が置いたように見えることだ。
- 鑑賞
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巻第二十 神祇歌 1265
詞書「同じ歌合に、社頭月といへる心を詠み侍りける」
前歌と同じ住吉社の歌合で、社頭の月という題を詠んだ歌である。住吉の松の行き合いの隙からも月が冴えるので霜は置いたのだ、と詠む。住吉の神の歌と伝える「夜や寒き衣や薄きかたそぎの行き合ひの間より霜や置くらむ」をふまえる。この神の歌は、社殿の千木の行き合う隙間から霜が置くのかと嘆いたものとされ、本歌はそれを松の枝の行き合う隙間に移し、そこから射す冴えた月の光を霜に見立てている。
作者の「俊恵法師」は源俊頼の子で、東大寺の僧である。京の白河の自坊を歌林苑と名づけ、多くの歌人が集った。
前歌の第千二百六十四首と同じ歌合の社頭月の歌で、ともに住吉の松と月を詠み、前歌が月の昔を問い、本歌が月光を霜に見立てている。本巻の第千二百五十七首から続いた住吉の歌はここで終わる。
初句「住吉の」は住吉社のあたりで、本巻の第千二百五十七首の初句「住吉の」と同じ語である。
二句「松の行き合ひの」は八音の字余りである。「行き合ひ」は枝が交わり合うところで、住吉の神の歌の「行き合ひの間」を松の枝に移している。
三句「隙よりも」の「隙」はすきまで、「も」は、…からでさえ、の意を添えている。
四句「月冴えぬれば」の「冴ゆ」は光が冷たく澄みわたる意で、「ぬれ」は完了の助動詞「ぬ」の已然形である。前歌の第千二百六十四首の結句「住の江の月」を受けて月を詠む。
結句「霜は置きけり」は冴えた月光を霜に見立てたもので、「けり」は気づきを表す詠嘆の助動詞である。
ゆきあひ:物が交わり合うところ、ここでは松の枝の交わるところ
ひま:すきま
さゆ:光や空気が冷たく澄みわたる
かたそぎ:神社の屋根の千木の先端を斜めに削いだもの
- 作者
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俊恵
- 出典
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千載和歌集
- 前の歌
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古りにける松もの言はば問ひてまし 昔もかくや住の江の月
- 次の歌
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押しなべて雪の白木綿かけてけり いづれ榊の梢なるらん