たいていの場合は美しい月を賞美することはない。この月こそが夜ごとにつもり重なれば年となって、積もりつもって人の老いになるのだから。
一年に一夜しか織姫に逢えぬ彦星よりも私があなたを恋する気持ちはまさっている。天の川のように二人を隔てる関所のような仕切りを今はやめてくれ。
けっして秋を飽きるという意味の掛詞として言ったのでもないのに、結局秋になって木の葉が降り積もり入り江が浅くなるような浅い縁だったのですね。
見ないというのではなく、かといってはっきり見たのではない、あなたが恋しくて、わけもなく今日は一日中ぼんやりそちらの方を眺めて過ごすか。