古今和歌集 - 凡河内みつね
雪が降って誰も通らない道だからだろうか、自分の心まで消え入るようだ。
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古今和歌集 - 深養父
冬でありながら空から花が散ってくるのは、雲の向こうは春になっているからだろうか。
古今和歌集 - 紀貫之
冬ごもりの時期に思いもかけなかったのに、木の間から花と見えるばかりに雪が降っていることだ。
古今和歌集 - 坂上是則
明け方に有明の月と見えるほどに、吉野の里に白雪が降っていることだ。
古今和歌集 - よみ人しらず
雪が解けない上にさらに降り敷いてくれよ、春霞が立つようになれば雪を見るのは稀になるだろうから。
梅の花がどれであるか区別がつかない。空を曇らせている雪が一面に降っているから。
古今和歌集 - 小野篁朝臣
梅の花の色が雪にまじって見えなくても、せめて香りだけでも匂わせてくれよ、人々がわかるように。
梅の香りが降り積もっている雪に混じってしまったなら、誰が雪と梅とを区別して枝を折ることができるだろうか。
古今和歌集 - 紀とものり
雪が降れば、木ごとに花が咲いているようだ。どれを梅と見分けて折り取ろうか。
私が待ってはいない新年は来るのに別れてしまった人は便りすらない。
古今和歌集 - 在原元方
毎年、年末になるごとに雪が降り勝り、私自身も年老いてゆくことだ。
雪が降り、一年が終わるそんな時に色が変わることがない松を見るのだ。
古今和歌集 - 春道列樹
昨日と言い、今日は今日と暮らして明日香川。なんと早く流れる月日であることか。
往く年が惜しいことだ。鏡に映る自分の姿さえ暮れてしまうと思えば。