金葉和歌集
虫の音は、この秋はとりわけ鳴きまさり、私もいっそう泣きまさる。亡き人との別れが遠くなっていくような気がして。
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どうしたらよいだろう。つらい世の中に住んで、炭竈のように、最後には煙となってしまうに違いないこの身を。
罪は少しも残らず消えてしまっただろう。長い夜通し、悔いて燃えくすぶる思いの火によって。
大海の底の藻屑だと見ていたのに、どうして空の月となるのだろうか。
金葉和歌集 - 源俊頼
四方の海の波に漂う水屑のような者をも、七重の網で引き上げて、漏らさないでほしい。
逢うことがないのをつらく思って、浮田の森に住んで人を呼ぶように鳴く呼子鳥こそ、私の身であったことだ。
金葉和歌集 - 藤原親隆
恋い死にもせずに、心を尽くして、今まで生きてきたのも、あなたを頼みにしているからこそだ。生の松原の名のように。
自分の身のほどを思い知らされたことだけが、つれないあの人の情けなのだろうか。
あくというものを知りたいものだ。紅の涙に染まった袖の色が、それで変わるかと思って。
ひどく恋しい時は、播磨の飾磨で染める褐色ではないが、徒歩でやって来ることだ。