古典和歌stream

枕草子 - 清少納言

夜をこめて鳥の空音ははかるとも
世に逢坂の関はゆるさじ

まだ夜の明けないうちに鶏の鳴きまねをしてだまそうとしても、あの函谷関ならばともかく、この逢坂の関は決して許すまい。

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枕草子 - 藤原行成

逢坂は人越えやすき関なれば
鳥鳴かぬにもあけて待つとか

逢坂の関は人が越えやすい関なのだから、鶏が鳴かないうちでも開けて待っているとかいうことだ。

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枕草子

これをだにかたみと思ふに都には
葉がへやしつる椎柴の袖

せめてこれだけでも院の形見と思っているのに、都では衣がえをしてしまったのか、椎柴染めの喪服の袖よ。

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枕草子

わたつ海の沖にこがるる物見れば
あまの釣して帰るなりけり

大海の沖で焦がれているものを見ると、海人が釣りをして帰るところであった。

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枕草子 - 中宮定子

いかにしていかに知らまし偽りを
空にただすの神なかりせば

どのようにして、どうやって偽りを知ることができたであろうか。空にあって正すという糺の神がいなかったならば。

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枕草子 - 清少納言

薄さ濃さそれにもよらぬはなゆゑに
憂き身のほどを見るぞわびしき

薄いとか濃いとか、そういうことにもかかわりのない花、いや、くしゃみのせいで、つらい身の程を思い知らされるのが情けない。

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枕草子 - 中宮定子

みな人の花や蝶やといそぐ日も
わが心をば君ぞ知りける

誰もが花よ蝶よと浮き立って過ごすこの日にも、私の心の中は、そなたこそが知っていてくれたのだ。

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枕草子 - 中宮定子

あかねさす日に向かひても思ひ出でよ
都は晴れぬながめすらむと

日に向かうという日向の国へ行っても思い出してほしい。都では晴れることのない長雨が降り、私は物思いに沈んでいるだろうと。

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枕草子 - 中宮定子

山ちかき入相の鐘の声ごとに
恋ふる心の数は知るらむ

山の近いその寺で、夕暮れの鐘の音が一つ鳴るたびに、そなたを恋しく思う私の心の数を、そなたは知るだろう。

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枕草子

七曲にまがれる玉の緒をぬきて
ありとほしとは知らずやあるらむ

七曲がりに曲がった玉に緒を通したのだから、蟻通しという名だとは知らないでいるのだろうか。

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枕草子 - 清少納言

かけまくもかしこき神のしるしには
鶴のよはひとなりぬべきかな

口に出して申しあげるのも恐れ多い神のご加護のしるしには、鶴のような長い齢になってしまうにちがいない。

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枕草子 - 清少納言

さかしらに柳の眉のひろごりて
春のおもてを伏する宿かな

利口ぶって柳の眉が広がってしまって、春の顔をうつむかせている宿だことよ。

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枕草子 - 中宮定子

いかにして過ぎにしかたを過ぐしけむ
暮らしわづらふ昨日今日かな

どのようにして今までの日々を過ごしてきたのだろう。持てあましてしまう昨日今日であることよ。

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枕草子 - 清少納言

雲の上も暮らしかねける春の日を
所がらとも眺めつるかな

雲の上でも過ごしかねておられた春の日を、私は場所柄のせいだとばかり思って眺めていたことよ。

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枕草子 - 道命

わたつ海に親おし入れてこの主の
盆する見るぞあはれなりける

海に親を押し入れておいて、この男が盆の供養をするのを見るのは、まことに殊勝なことであるよ。

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枕草子

薪こることは昨日に尽きにしを
いざ斧の柄はここに朽たさむ

薪を樵ることは昨日で終わってしまったのだから、さあ、斧の柄はこの場で朽たしてしまおう。

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