古典和歌stream

和泉式部日記 - 和泉式部

秋のうちに朽はてぬへくことはりの
雨に誰か袖をからまし

秋のうちに朽ち果ててしまいそうなほど、この季節には当然の雨に濡れているけれど、誰の袖を借りたらよいのだろうか。

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和泉式部日記 - 和泉式部

まとろまてあはれ幾夜に成ぬらん
只鴈金を聞わさにして

まどろむこともなく、ああ、もう幾夜になったのだろう。ただ雁の鳴く声を聞くことばかりをして。

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和泉式部日記 - 和泉式部

我ならぬ人もさそみん長月の
晨明の月にしかしあはれは

私以外の人も、きっとこうして眺めているだろう。九月の有明の月の美しさに及ぶものはあるまい、このしみじみとした趣は。

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和泉式部日記 - 和泉式部

よそにても同し心に在明の
月をみるやと誰にとはまし

離れていても、同じ心でこの有明の月を見ているかと、いったい誰に尋ねたらよいのだろう。

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和泉式部日記 - 敦道親王

秋のうちはくちける物を人もさは
我袖とのみ思ひける哉

秋の間は、私の袖も涙で朽ちていたのに。あなたもそのように、朽ちるのは自分の袖ばかりだと思っていたのだな。

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和泉式部日記 - 敦道親王

消ぬへき露の命とおもはすは
久しききくにかゝりやはせむ

消えてしまいそうな露の命だと思わないのならば、どうして露が長寿の菊にかかるように、頼みをかけたりしようか。

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和泉式部日記 - 敦道親王

まとろまて雲井の鴈の音を聞は
心つからの業にそありける

まどろみもせずに、空を渡る雁の声を聞いているのは、あなた自身の心から招いたことであったのだ。

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和泉式部日記 - 敦道親王

我ならぬ人も有明の空をのみ
おなし心になかめけるかな

私以外の人も、有明の空ばかりを、私と同じ心で眺めていたのだなあ。

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和泉式部日記 - 敦道親王

よそにても君計こそ月はみめ
と思てゆきしけさそくるしき

離れていても、あなただけはきっとこの月を見ているだろうと思って、訪ねていった今朝のことが、つらく思われる。

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和泉式部日記 - 和泉式部

おしまるゝ淚にかけはとまらなん
心もしらす秋はゆくとも

別れを惜しんで流す涙に、せめて面影だけは映ってとどまってほしい。こちらの心も知らずに、秋が去っていくように、あなたが去っていくとしても。

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和泉式部日記 - 和泉式部

君ををきていつち行らん我たにも
浮世中にしゐてこそふれ

あなたを置いて、その人はどこへ行くのだろう。この私でさえ、つらいこの世の中に、無理をして生き続けているというのに。

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和泉式部日記 - 敦道親王

打すてゝ旅行人はさもあらはあれ
又なきものに君し思はは

私を捨てて旅に出ていく人は、それならそれでかまわない。あなたが私を、またとないかけがえのない者と思ってくれるならば。

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和泉式部日記 - 敦道親王

時雨にも露にもあらてぬたる夜は
あやしくぬるゝ手枕の袖

時雨のせいでも露のせいでもないのに、共に寝た夜は、不思議にも濡れていることだ、あなたの手枕にしたこの袖は。

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和泉式部日記 - 和泉式部

今朝のまは今はひぬらんゆめ計
ぬると見えつる手枕の袖

今朝のうちに、もう乾いてしまったことだろう。夢ほどわずかに濡れたと見えた、あの手枕の袖は。

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和泉式部日記 - 敦道親王

夢計なみたにぬると見つらめと
ほしそかねつる手枕のそて

夢ほどわずかに涙で濡れたとあなたは見たのだろうが、私は乾かしかねている、あの手枕の袖を。

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和泉式部日記 - 敦道親王

露むすふ道のまに〳〵朝ほらけ
ぬれてそきつる手枕のそて

露の置く道を行くにつれて、ほのぼのと明けゆく朝、すっかり濡れて帰ってきたことだ、この手枕の袖は。

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