古典和歌stream

和泉式部日記 - 敦道親王

行のしるしもあらは葛城の
はしたなしとてさてややみなん

私の修行の効験があるならば、葛城の神とて、きまりが悪いからといって、そのまま橋造りをやめてしまうだろうか。

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和泉式部日記 - 和泉式部

我うへは千鳥もつけしおほ鳥の
羽にも霜はさやはをきける

私の身の上のことは、千鳥も告げはしないだろう。大鳥の羽にまで、そのように霜が置いたりしたことがあろうか。

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和泉式部日記 - 敦道親王

月も見てねにきといひし人の上に
をきしもせしを大鳥のこと

月を見てから寝てしまったと言っていた人の上に、大鳥の羽のように、霜が置いたりはしないだろうに。

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和泉式部日記 - 敦道親王

神無月よにふりにたる時雨とや
けふの詠めをあかす見る覽

十月の、世にありふれて古びた時雨だと思って、今日の長雨の眺めを、飽きることもなく見ているのだろうか。

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和泉式部日記 - 和泉式部

しくれかもなにゝぬれたる袂そと
定めかねてそ我も詠むる

時雨なのだろうか、それとも何に濡れた袂なのかと、決めかねて、私も物思いにふけりながら眺めている。

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和泉式部日記 - 和泉式部

紅葉はゝ夜はの時雨にあらしかし
昨日山へをみたらましかは

紅葉の葉は、夜中の時雨にもう残ってはいないだろう。昨日、山辺を見に行っていたならよかったのに。

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和泉式部日記 - 敦道親王

そよやそよなとて山へをみさり劔
けさは悔れと何のかひなし

そうだ、そのとおりだ。どうして山辺を見に行かなかったのだろう。今朝になって悔やんでも、何の甲斐もない。

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和泉式部日記 - 敦道親王

あらしとは思ふ物から紅葉はの
ちりや殘れるいさ尋ね見ん

嵐が吹いて、もう残ってはいまいとは思うけれども、紅葉の葉が散り残っているかどうか、さあ訪ねて見に行こう。

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和泉式部日記 - 和泉式部

移はぬ常盤の山も紅葉せは
いさかしゆきてのと〳〵とみむ

色の変わることのない常磐の山でさえ紅葉したならば、さあ、それこそ行って、のんびりと見ることにしよう。

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和泉式部日記 - 和泉式部

高瀨舟はや漕出よさはること
さし歸りにしあしまわけたり

高瀬舟よ、早く漕ぎ出しておいで。先日、棹さして引き返していった葦の間の差し障りは、もう分けて取り除いてある。

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和泉式部日記 - 敦道親王

山へには車にのりて行へきを
たかせの舟はいかゝよるへき

山辺へは車に乗って行くはずなのに、高瀬舟は、いったいどうやって寄せたらよいのだろう。

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和泉式部日記 - 和泉式部

紅葉はのみにくる迄もちらさらは
高瀨の舟のいかゝ焦れん

紅葉の葉が、あなたが見に来るまで散らずにいるのならば、高瀬舟がどうして漕ぎ焦がれたりしようか。

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和泉式部日記 - 敦道親王

ねぬるよのね覺の夢にならひてそ
伏見の里をけさは起つる

共に寝た夜の、寝覚めに見る夢に慣れたように、伏見の里を、今朝は起きて出てきたことだ。

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和泉式部日記 - 和泉式部

其夜より我身の上は知れねは
すゝろにあらぬ旅寢をそする

あの夜から、わが身の上がどうなっていくのか自分でも分からないので、思いもかけない旅寝をすることだ。

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和泉式部日記 - 和泉式部

今の間に君きまさなん戀し迚
なもあるものを我ゆかんやは

今すぐにでも、あなたの方から来てほしい。恋しいからといって、世間の評判というものもあるのに、私の方から行けるものだろうか。

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和泉式部日記 - 敦道親王

君いまは名のたつことをおもひける
人からかゝる心とそみる

あなたは今になって、浮き名が立つことを気にするようになったのだな。相手が私だからこそ、そのような心になるのだと見ている。

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