古典和歌stream

和泉式部日記 - 敦道親王

うたかはゝ又うちみしと思えとも
心に心かなはさりけり

あなたを疑うようなことがあっても、もう恨むまいと思うけれど、心というものは、自分の心の思うようにはならないものだったのだ。

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和泉式部日記 - 和泉式部

うらむらん心はたゆるかきりなく
たのむ君をそ我も疑ふ

私を恨んでいるというあなたの心は絶えることもないが、この上なく頼りにしているあなたのことを、私の方こそ疑っている。

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和泉式部日記 - 和泉式部

霜かれはわひしかりけり秋風の
ふくには荻の音つれもしき

霜枯れの季節はわびしいものだ。秋風が吹いた頃には、荻の葉音のような、あなたの訪れもあったのに。

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和泉式部日記 - 敦道親王

かれはてゝ我よりほかにとふ人も
嵐の風をいかゝきくらん

荻もすっかり枯れはて、人も離れ去って、私のほかに訪れる人もいないだろう。その家で、この嵐の風の音をどのように聞いていることだろうか。

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和泉式部日記 - 和泉式部

つれ〳〵とけふかそふれは年月に
昨日そ物は思はさりける

所在なく、今日これまでの日々を数えてみると、長い年月のなかで、昨日一日だけは物思いをしなかったことだ。

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和泉式部日記 - 敦道親王

思ふ事なくて過しゝおとゝひを
昨日とけふになすよしも哉

思い悩むこともなく過ごした一昨日を、昨日にも今日にもする方法があればよいのに。

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和泉式部日記 - 和泉式部

なくさむる君もありとはおもへとも
猶夕くれは物そ悲しき

心を慰めてくださるあなたがいるとは思うけれども、やはり夕暮れは、何となく物悲しいことだ。

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和泉式部日記 - 敦道親王

夕暮は誰もさのみそおもほゆる
まちわふ君そ人にまされる

夕暮れは、誰でもそのように物悲しく思われるものだ。けれども、私を待ちわびているあなたの悲しさは、人にまさっているのだろう。

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和泉式部日記 - 和泉式部

おきなから明せる霜の朝こそ
まされる物はよになかりけれ

起きたまま夜を明かして迎えた霜の朝ほど、つらさのまさるものは、この世になかったことだ。

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和泉式部日記 - 敦道親王

われひとりおもふは思かひもなし
おなし心に君もあらなん

私一人だけが思っているのでは、思う甲斐もない。あなたも私と同じ心であってほしい。

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和泉式部日記 - 和泉式部

君は君我は我ともへたてれは
こゝろこゝろにあらん物かは

あなたはあなた、私は私と分け隔てをしたところで、二人の心がそれぞれ別々であるはずがあろうか。

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和泉式部日記 - 和泉式部

たえし比たえねと思ひし玉の緖を
君により又おしまるゝ哉

あなたとの仲が途絶えていた頃には、いっそ絶えてしまえと思った命なのに、あなたのおかげで、また惜しく思われることだ。

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和泉式部日記 - 敦道親王

玉の緖はたえんものかは契りてし
なかき心に結ひこめてき

命の緒が絶えたりするものか。約束した、末長く変わらない心の中に、しっかりと結び込めてしまったのだから。

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和泉式部日記 - 敦道親王

神代よりふりはてにける雪なれと
けふはことにも珍しき哉

神代の昔から降り続けて、すっかり古びてしまった雪ではあるが、今日はとりわけ珍しく感じられることだ。

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和泉式部日記 - 和泉式部

初雪といつれの冬もみしまゝに
珍しけなきみのみふりつゝ

初雪だと、どの冬にも見てきたけれど、その間に、珍しくもないわが身ばかりが年を重ねて古びていく。

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和泉式部日記 - 和泉式部

暇なみきまさすは我ゆかん
ふみつくるらん道をしらはや

暇がなくてあなたがおいでにならないのなら、私の方から行こう。詩文を作っていらっしゃるという、その道を知りたいものだ。

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