古典和歌stream

万葉集 - 丹生王

石上布留の山なる杉群の
思ひ過ぐべき君にあらなくに

石上の布留の山にある杉の群れ、その「すぎ」ではないが、思いが過ぎ去って忘れられるようなあなたではないのに。

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万葉集 - 山前王

こもりくの泊瀬娘子が手に巻ける
玉は乱れてありと言はずやも

泊瀬の娘子が手に巻いている玉は、緒が切れて乱れ散ってしまったと、人は言うではないか。

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万葉集 - 山前王

川風の寒き泊瀬を嘆きつつ
君が歩くに似る人も逢へや

川風の寒い泊瀬を、あなたが嘆きながら歩いていると、亡き人に似た人にでも出逢ってくれればよいのに。

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万葉集 - 柿本人麻呂

草枕旅の宿りに誰が嬬か
国忘れたる家待たまくに

旅の途中の宿りの地で、いったい誰の夫なのだろうか、故郷を忘れたように倒れている。家では帰りを待っているだろうに。

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万葉集 - 刑部垂麻呂

百足らず八十隈坂に手向けせば
過ぎにし人にけだし逢はむかも

いくつもの曲がり角のある坂で手向けをしたならば、亡くなった人に、もしかしたら逢えるだろうか。

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万葉集 - 柿本人麻呂

こもりくの初瀬の山の山の際に
いさよふ雲は妹にかもあらむ

初瀬の山の山あいに、ためらうように漂っている雲は、あの娘の火葬の煙なのであろうか。

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万葉集 - 柿本人麻呂

山の際ゆ出雲の子らは霧なれや
吉野の山の嶺にたなびく

山の間から出る雲、その名をもつ出雲の娘は霧なのだろうか。吉野の山の嶺にたなびいている。

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万葉集 - 柿本人麻呂

八雲さす出雲の子らが黒髪は
吉野の川の沖になづさふ

出雲の娘の美しい黒髪は、吉野の川の沖に、水に浮かんで漂っている。

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万葉集 - 山部赤人

我れも見つ人にも告げむ勝鹿の
真間の手児名が奥つ城ところ

私も見た。人にも語り告げよう。葛飾の真間の手児名の眠る墓所を。

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万葉集 - 山部赤人

葛飾の真間の入江にうち靡く
玉藻刈りけむ手児名し思ほゆ

葛飾の真間の入り江に波になびく玉藻を、刈っていたであろう手児名のことが思われる。

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万葉集 - 河辺宮人

風早の美穂の浦廻の白つつじ
見れども寂しなき人思へば

風の激しい美穂の浦の岸辺に咲く白つつじは、見ていても寂しい。亡くなった人のことを思うと。

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万葉集 - 河辺宮人

みつみつし久米の若子がい触れけむ
磯の草根の枯れまく惜しも

久米の若子が触れたであろう磯の草が、枯れてしまうのが惜しい。

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万葉集 - 河辺宮人

人言の繁きこのころ玉ならば
手に巻き持ちて恋ひずあらましを

人のうわさがうるさいこのごろ、あなたが玉であったなら、手に巻いていつも持っていて、こんなに恋しく思わずにいられるだろうに。

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万葉集 - 河辺宮人

妹も我れも清みの川の川岸の
妹が悔ゆべき心は持たじ

妻も私も清らかな、その清みの川の川岸が崩えるというが、そのように妻が悔やむような心は、決して持つまい。

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万葉集 - 大伴旅人

愛しき人のまきてし敷栲の
我が手枕をまく人あらめや

いとしい妻が枕にした私の腕を、ほかに枕にする人などあろうか。

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万葉集 - 大伴旅人

帰るべく時はなりけり都にて
誰が手本をか我が枕かむ

都へ帰るべき時がやってきた。都で、いったい誰の腕を私は枕にすればよいのだろうか。

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