古典和歌stream

万葉集

島伝ひ敏馬の崎を漕ぎ廻れば
大和恋しく鶴さはに鳴く

島から島へと伝って敏馬の崎を漕ぎめぐって行くと、大和が恋しく思われるのに、鶴がしきりに鳴いている。

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万葉集 - 紀皇女

軽の池の浦廻行き廻る鴨すらに
玉藻の上にひとり寝なくに

軽の池の岸辺を泳ぎめぐる鴨でさえ、玉藻の上でひとりで寝ることはないのに。

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万葉集 - 満誓

鳥総立て足柄山に船木伐り
木に伐り行きつあたら船木を

鳥総を立てて山の神を祭り、足柄山で船材にする木を伐ったのに、ただの材木として伐って持っていかれてしまった。惜しい船材であったのに。

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万葉集 - 大伴百代

ぬばたまのその夜の梅をた忘れて
折らず来にけり思ひしものを

あの夜の梅をうっかり忘れて、折らずに帰って来てしまった。心に思っていたのに。

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万葉集 - 満誓

見えずとも誰れ恋ひざらめ山の端に
いさよふ月を外に見てしか

たとえ見えなくても、誰が恋い慕わずにいられようか。山の端にためらっている月を、せめてよそながらでも見たいものだ。

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万葉集 - 余明軍

標結ひて我が定めてし住吉の
浜の小松は後も我が松

標縄を張って私のものと決めておいた住吉の浜の小松は、後々までも私の松である。

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万葉集 - 笠女郎

託馬野に生ふる紫草衣に染め
いまだ着ずして色に出でにけり

託馬野に生える紫草で衣を染めて、まだ着ないうちに、その色が人目に表れてしまった。

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万葉集 - 笠女郎

陸奥の真野の草原遠けども
面影にして見ゆといふものを

陸奥の真野の草原は遠いけれども、面影として目に浮かぶというのに。(近くにいるあなたの姿は見えないことだ。)

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万葉集 - 笠女郎

奥山の岩本菅を根深めて
結びし心忘れかねつも

奥山の岩の根もとに生える菅の根が深いように、心の奥深くから結んだ契りの心を、忘れることができない。

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万葉集 - 藤原八束

妹が家に咲きたる梅のいつもいつも
なりなむ時に事は定めむ

あなたの家に咲いている梅が、いつかいつかと待つうちに実がなる時には、事を決めよう。

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万葉集 - 藤原八束

妹が家に咲きたる花の梅の花
実にしなりなばかもかくもせむ

あなたの家に咲いている花の梅の花が、実になったならば、どのようにでもしよう。

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万葉集 - 大伴駿河麻呂

梅の花咲きて散りぬと人は言へど
我が標結ひし枝にあらめやも

梅の花が咲いて散ってしまったと人は言うけれど、それが私の標を結んでおいた枝であるはずがあろうか。

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万葉集 - 大伴坂上郎女

山守のありける知らにその山に
標結ひ立てて結ひの恥しつ

山の番人がいたことも知らずに、その山に標縄を張り立てて、標を結った恥をかいてしまった。

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万葉集 - 大伴駿河麻呂

山守はけだしありとも我妹子が
結ひけむ標を人解かめやも

山の番人がたとえいたとしても、あなたが結ったという標を、ほかの人が解いたりするでしょうか。

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万葉集 - 大伴家持

朝に日に見まく欲りするその玉を
いかにせばかも手ゆ離れずあらむ

朝も昼もいつも見ていたいと思うその玉を、どうしたら手から離さずにいられるだろうか。

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万葉集

ちはやぶる神の社しなかりせば
春日の野辺に粟蒔かましを

恐ろしい神の社さえなかったならば、春日の野辺に粟を蒔くのだけれど。

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