古典和歌stream

万葉集 - 田辺福麻呂

なつきにし奈良の都の荒れゆけば
出で立つごとに嘆きし増さる

慣れ親しんできた奈良の都が荒れていくので、外に出て立つたびに嘆きがいっそう増さる。

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万葉集 - 田辺福麻呂

三香の原布当の野辺を清みこそ
大宮所定めけらしも

三香の原の布当の野辺が清らかなので、ここを大宮所とお定めになったらしい。

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万葉集 - 田辺福麻呂

山高く川の瀬清し百代まで
神しみゆかむ大宮所

山は高く、川の瀬は清らかだ。百代の後まで、神々しさを増していくであろう、この大宮所は。

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万葉集 - 田辺福麻呂

泉川行く瀬の水の絶えばこそ
大宮所移ろひ行かめ

泉川の流れゆく瀬の水が絶えることがあれば、そのときこそ大宮所も移っていくだろう。

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万葉集 - 田辺福麻呂

布当山山なみ見れば百代にも
変るましじき大宮所

布当山の連なる山々を見ると、百代の後までも変わることはないであろう、この大宮所は。

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万葉集 - 田辺福麻呂

娘子らが続麻懸くといふ鹿背の山
時しゆければ都となりぬ

娘子たちが紡いだ麻糸を掛けるという桛、その名をもつ鹿背の山は、時が移ったので都となった。

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万葉集 - 田辺福麻呂

鹿背の山木立を茂み朝さらず
来鳴き響もす鴬の声

鹿背の山は木立が茂っているので、毎朝やって来ては鳴き響かせている、鴬の声よ。

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万葉集 - 田辺福麻呂

狛山に鳴く霍公鳥泉川
渡りを遠みここに通はず

狛山で鳴くほととぎすは、泉川の渡り場が遠いので、ここには通って来ない。

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万葉集 - 田辺福麻呂

三香の原久迩の都は荒れにけり
大宮人のうつろひぬれば

三香の原の久迩の都は荒れてしまった。大宮人たちがよそへ移ってしまったので。

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万葉集 - 田辺福麻呂

咲く花の色は変らずももしきの
大宮人ぞたち変りける

咲く花の色は変わらない。ももしきの大宮人こそが、すっかり入れ替わってしまったのだ。

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万葉集 - 田辺福麻呂

あり通ふ難波の宮は海近み
海人娘子らが乗れる舟見ゆ

大君が通い続ける難波の宮は海が近いので、海人の娘子たちが乗っている舟が見える。

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万葉集 - 田辺福麻呂

潮干れば葦辺に騒く白鶴の
妻呼ぶ声は宮もとどろに

潮が引くと、葦辺で騒ぐ白い鶴の、妻を呼ぶ声は、宮殿もとどろくほどに響く。

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万葉集 - 田辺福麻呂

まそ鏡敏馬の浦は百舟の
過ぎて行くべき浜ならなくに

敏馬の浦は、多くの舟がただ通り過ぎて行ってよいような浜ではないのに。

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万葉集 - 田辺福麻呂

浜清み浦うるはしみ神代より
千舟の泊つる大和太の浜

浜が清らかで、浦が美しいので、神代の昔から多くの舟が泊まってきた、大和太の浜よ。

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万葉集

天の海に雲の波立ち月の舟
星の林に漕ぎ隠る見ゆ

天の海に雲の波が立ち、月の舟が星の林の中へ漕ぎ隠れてゆくのが見える。

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万葉集

常はさね思はぬものをこの月の
過ぎ隠らまく惜しき宵かも

普段はまったくそうは思わないのに、この月が空を過ぎて隠れてしまうのが惜しい今宵であることよ。

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