古典和歌stream

万葉集

月草に衣は摺らむ朝露に
濡れての後はうつろひぬとも

月草で衣を摺り染めよう。朝露に濡れた後で色が褪せてしまうとしても。

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万葉集

我が心ゆたにたゆたに浮蓴
辺にも沖にも寄りかつましじ

私の心はゆらゆらと揺れ動いて、浮いている蓴菜のように、岸辺にも沖にも寄りつくことができそうにない。

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万葉集

石上布留の早稲田を秀でずとも
縄だに延へよ守りつつ居らむ

石上の布留の早稲の田は、まだ穂が出ていなくても、せめて縄だけでも張っておけ。私は番をし続けていよう。

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万葉集

白菅の真野の榛原心ゆも
思はぬ我れし衣に摺りつ

白菅の生える真野の榛原の榛を、心にも思っていなかった私が、衣に摺り付けてしまった。

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万葉集

真木柱作る杣人いささめに
仮廬のためと作りけめやも

立派な木の柱を作る杣人は、かりそめに仮小屋のためにと思って作ったことがあろうか。

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万葉集

向つ峰に立てる桃の木ならむやと
人ぞささやく汝が心ゆめ

向かいの峰に立っている桃の木は実がなるだろうかと、人がささやいている。あなたの心よ、決して油断するな。

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万葉集

たらちねの母がそのなる桑すらに
願へば衣に着るといふものを

母の畑にある桑でさえも、願えば衣として着られるというのに。

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万葉集

はしきやし我家の毛桃本茂く
花のみ咲きてならずあらめやも

ああいとしい我が家の毛桃は、根もとまで茂って、花ばかり咲いて実がならないことなどあろうか。

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万葉集

向つ峰の若桂の木下枝取り
花待つい間に嘆きつるかも

向かいの峰の若い桂の木の下枝を手に取って、花が咲くのを待つ間に、嘆いてしまったことよ。

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万葉集

息の緒に思へる我れを山ぢさの
花にか君がうつろひぬらむ

命をかけて思っている私なのに、山ぢさの花のように、あなたは心変わりしてしまったのだろうか。

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万葉集

住吉の浅沢小野のかきつはた
衣に摺り付け着む日知らずも

住吉の浅沢の野のかきつばたを、衣に摺り付けて着る日はいつのことかわからないことだ。

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万葉集

秋さらば移しもせむと我が蒔きし
韓藍の花を誰れか摘みけむ

秋になったら移し染めにもしようと思って私が蒔いた韓藍の花を、誰が摘んでしまったのだろうか。

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万葉集

春日野に咲きたる萩は片枝は
いまだふふめり言な絶えそね

春日野に咲いている萩は、片方の枝はまだつぼみのままだ。言葉を絶やさないでおくれ。

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万葉集

見まく欲り恋ひつつ待ちし秋萩は
花のみ咲きてならずかもあらむ

見たいと思い、恋しく思いながら待っていた秋萩は、花ばかり咲いて実はならないのだろうか。

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万葉集

我妹子がやどの秋萩花よりは
実になりてこそ恋ひまさりけれ

愛しい妻の家の秋萩は、花の時よりも、実になってからの方がいっそう恋しさがまさることだ。

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万葉集

明日香川七瀬の淀に住む鳥も
心あれこそ波立てざらめ

明日香川のいくつもの瀬の淀みに住む鳥も、思う心があるからこそ、波を立てないでいるのだろう。

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