古典和歌stream

万葉集

思ひあまりいたもすべなみ玉たすき
畝傍の山に我れ標結ひつ

思いがあふれて、どうにもしようがないので、畝傍の山に私は標を結ってしまった。

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万葉集

冬こもり春の大野を焼く人は
焼き足らねかも我が心焼く

春の広い野を焼く人は、野を焼くだけでは焼き足りないのだろうか、私の心まで焼くことだ。

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万葉集

葛城の高間の草野早知りて
標刺さましを今ぞ悔しき

葛城の高間の萱の野を早くから知って、標を刺しておけばよかったのに。今となっては悔しい。

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万葉集

我がやどに生ふるつちはり心ゆも
思はぬ人の衣に摺らゆな

我が家の庭に生えているつちはりよ、心から思ってもいない人の衣に摺られるな。

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万葉集

月草に衣色どり摺らめども
うつろふ色と言ふが苦しさ

月草で衣を色どって摺り染めようと思うけれど、移ろいやすい色だと人が言うのがつらいことだ。

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万葉集

紫の糸をぞ我が搓るあしひきの
山橘を貫かむと思ひて

紫の糸を私は搓っている。山橘の実を糸に通そうと思って。

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万葉集

真玉つく越智の菅原我れ刈らず
人の刈らまく惜しき菅原

越智の菅原を、私は刈らずにいて、他人が刈るとしたら惜しい菅原よ。

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万葉集

山高み夕日隠りぬ浅茅原
後見むために標結はましを

山が高いので夕日が隠れてしまった。この浅茅原を、後で見るために標を結っておけばよかったのに。

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万葉集

言痛くはかもかもせむを岩代の
野辺の下草我れし刈りてば

人の噂がうるさいのなら、どうにでもしよう。岩代の野辺の下草を、私が刈り取ったのならば。

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万葉集

真鳥棲む雲梯の杜の菅の根を
衣にかき付け着せむ子もがも

鷲が棲む雲梯の杜の菅の根を、衣に摺り付けて私に着せてくれる娘がいればよいのに。

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万葉集

常ならぬ人国山の秋津野の
かきつはたをし夢に見しかも

常ならぬ人国山の秋津野のかきつばたを、夢に見たことよ。

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万葉集

をみなへし佐紀沢の辺の真葛原
いつかも繰りて我が衣に着む

佐紀沢のほとりの葛の原よ、いつになったらその蔓を手繰って、私の衣として着られるのだろう。

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万葉集

君に似る草と見しより我が標めし
野山の浅茅人な刈りそね

あなたに似ている草だと見た時から、私が標を張って占めてきた野山の浅茅を、人よ、刈らないでおくれ。

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万葉集

三島江の玉江の薦を標めしより
己がとぞ思ふいまだ刈らねど

三島江の玉江の薦を、標を張って占めた時から、自分のものだと思っている。まだ刈ってはいないけれど。

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万葉集

かくしてやなほや老いなむみ雪降る
大荒木野の小竹にあらなくに

こうしてやはり老いてしまうのだろうか。雪の降る大荒木野の篠竹ではないのに。

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万葉集

近江のや八橋の小竹を矢はがずて
まことありえむや恋しきものを

近江の八橋の篠竹を、矢に作らずに、本当にいられようか。こんなに恋しいのに。

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