古典和歌stream

万葉集

潜きする海人は告れども海神の
心し得ねば見ゆといはなくに

潜って漁をする海人は祈りの言葉を口にするけれども、海の神の心を得られないので、見えるとは言わないことだ。

詳細を見る

万葉集

天雲のたなびく山の隠りたる
我が下心木の葉知るらむ

天雲のたなびく山が隠れているように、人に隠している私の心の奥の思いを、木の葉は知っているだろう。

詳細を見る

万葉集

見れど飽かぬ人国山の木の葉をし
我が心からなつかしみ思ふ

いくら見ても見飽きない人国山の木の葉を、私は自分の心から慕わしく思っている。

詳細を見る

万葉集

この山の黄葉が下の花を我れ
はつはつに見てなほ恋ひにけり

この山の黄葉の下に咲く花を、私はほんのわずかに見ただけで、いっそう恋しくなってしまった。

詳細を見る

万葉集

この川ゆ舟は行くべくありといへど
渡り瀬ごとに守る人のありて

この川を通って舟は行けそうだというけれど、渡り瀬ごとに見張る人がいて。

詳細を見る

万葉集

大海をさもらふ港事しあらば
いづへゆ君は我を率しのがむ

大海の様子をうかがって船が待つ港で、もし何か事が起きたら、どこを通ってあなたは私を連れて難を逃れるのだろうか。

詳細を見る

万葉集

風吹きて海は荒るとも明日と言はば
久しくあるべし君がまにまに

風が吹いて海が荒れても、明日にしようと言うならば、長く待つことになるだろう。あなたの思うとおりに。

詳細を見る

万葉集

雲隠る小島の神の畏けば
目こそ隔てれ心隔てや

雲に隠れる小島の神が恐れ多いので、目にこそ隔たっているが、心まで隔てていようか。

詳細を見る

万葉集

橡の衣は人皆事なしと
言ひし時より着欲しく思ほゆ

橡染めの衣は気安くて面倒がないと人が皆言ったときから、着てみたいと思われてならない。

詳細を見る

万葉集

おほろかに我れし思はば下に着て
なれにし衣を取りて着めやも

いいかげんに私が思っているのなら、下に着て慣れ親しんだ衣を、取って上に着たりするだろうか。

詳細を見る

万葉集

紅の深染めの衣下に着て
上に取り着ば言なさむかも

紅の濃く染めた衣を下に着ていて、それを上に取って着たならば、人が噂を立てるだろうか。

詳細を見る

万葉集

橡の解き洗ひ衣のあやしくも
ことに着欲しきこの夕かも

橡染めの、ほどいて洗い直した衣が、不思議にもとりわけ着たく思われるこの夕べであることよ。

詳細を見る

万葉集

橘の島にし居れば川遠み
さらさず縫ひし我が下衣

橘の島に住んでいるので、川が遠くて、布を晒さずに縫った私の下着であることよ。

詳細を見る

万葉集

河内女の手染めの糸を繰り返し
片糸にあれど絶えむと思へや

河内の女が手で染めた糸を繰り返し繰るように、繰り返し思う。片糸ではあるけれど、切れようなどと思うだろうか。

詳細を見る

万葉集

海の底沈く白玉風吹きて
海は荒るとも取らずはやまじ

海の底に沈んでいる白玉を、風が吹いて海が荒れようとも、取らずにはおくまい。

詳細を見る

万葉集

底清み沈ける玉を見まく欲り
千たびぞ告りし潜きする海人

水底が清らかなので沈んでいるのが見える玉を見たいと思って、千度も頼んだことだ、潜って漁をする海人に。

詳細を見る