古典和歌stream

万葉集

志賀の海人の塩焼く煙風をいたみ
立ちは上らず山にたなびく

志賀の海人が塩を焼く煙は、風が激しいので、まっすぐに立ち上らず、山にたなびいている。

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万葉集

大汝少御神の作らしし
妹背の山を見らくしよしも

大汝と少御神の二柱の神がお作りになった妹背の山を見るのは、まことによいことだ。

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万葉集

我妹子と見つつ偲はむ沖つ藻の
花咲きたらば我れに告げこそ

愛しい妻だと思って眺めながら慕おう。沖の藻の花が咲いたら、私に知らせてほしい。

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万葉集

君がため浮沼の池の菱摘むと
我が染めし袖濡れにけるかも

あなたのために浮沼の池の菱の実を摘もうとして、私が染めた袖が濡れてしまったことよ。

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万葉集

妹がため菅の実摘みに行きし我れ
山道に惑ひこの日暮らしつ

妻のために菅の実を摘みに出かけた私は、山道に迷って、この一日を過ごしてしまった。

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万葉集

佐保川に鳴くなる千鳥何しかも
川原を偲ひいや川上る

佐保川で鳴いている千鳥よ、どうしてそんなに川原を慕って、ますます川をさかのぼってゆくのか。

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万葉集

人こそばおほにも言はめ我がここだ
偲ふ川原を標結ふなゆめ

人はいいかげんに言うかもしれないが、私がこれほど慕っている川原に、決して標縄を張って囲わないでくれ。

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万葉集

楽浪の志賀津の海人は我れなしに
潜きはなせそ波立たずとも

楽浪の志賀津の海人は、私がいないときに潜って漁をしないでくれ。たとえ波が立たなくても。

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万葉集

大船に楫しもあらなむ君なしに
潜きせめやも波立たずとも

大船に櫓があってほしい。あなたがいないのに、潜って漁などするものか。たとえ波が立たなくても。

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万葉集

月草に衣ぞ染むる君がため
斑の衣摺らむと思ひて

月草で衣を染めている。あなたのために、まだら模様の衣を摺り染めようと思って。

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万葉集

春霞井の上ゆ直に道はあれど
君に逢はむとた廻り来も

井戸のほとりからまっすぐ行く道はあるけれど、あなたに逢おうと思って、わざわざ回り道をして来たことよ。

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万葉集

道の辺の草深百合の花笑みに
笑みしがからに妻と言ふべしや

道端の草深い所に咲く百合の花のように、ちょっとほほえんだからといって、妻と言ってよいものだろうか。

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万葉集

黙あらじと言のなぐさに言ふことを
聞き知れらくは悪しくはありけり

黙ってはいまいと、口先の慰めに言うことを、それと聞き知っているのは、つらいことであった。

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万葉集

佐伯山卯の花持ちし愛しきが
手をし取りてば花は散るとも

佐伯山の卯の花を手に持っていたいとしい娘の、その手を取ることができたなら、花は散ってもかまわない。

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万葉集

時ならぬ斑の衣着欲しきか
島の榛原時にあらねども

季節はずれのまだら模様の衣が着たいことだ。島の榛原は、まだ染める時期ではないけれども。

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万葉集

山守の里へ通ひし山道ぞ
茂くなりける忘れけらしも

山守が里へ通っていた山道は、草木が茂ってしまった。もう忘れてしまったらしいなあ。

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