古典和歌stream

万葉集

山の際の雪は消ずあるをみなぎらふ
川の沿ひには萌えにけるかも

山あいの雪はまだ消えずに残っているのに、水の満ちあふれる川の沿いでは、柳が芽吹いたことだ。

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万葉集

朝な朝な我が見る柳鴬の
来居て鳴くべく森に早なれ

毎朝私が見ている柳よ、鴬が来てとまって鳴くことができるように、早く森のように茂っておくれ。

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万葉集

青柳の糸のくはしさ春風に
乱れぬい間に見せむ子もがも

青柳の糸のような枝の美しさよ。春風に乱れないうちに、見せてやれる娘がいればよいのに。

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万葉集

ももしきの大宮人のかづらける
しだり柳は見れど飽かぬかも

大宮人たちが髪飾りにしているしだれ柳は、いくら見ても見飽きることがない。

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万葉集

梅の花取り持ち見れば我が宿の
柳の眉し思ほゆるかも

梅の花を手に取って見ていると、我が家の柳の眉のような若葉が思い出されることだ。

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万葉集

鴬の木伝ふ梅のうつろへば
桜の花の時かたまけぬ

鴬が枝から枝へと伝い渡る梅の花が色あせていくので、桜の花の時節が近づいてきた。

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万葉集

桜花時は過ぎねど見る人の
恋ふる盛りと今し散るらむ

桜の花は、まだ散る時節は過ぎていないけれども、見る人が恋しく思う盛りのうちにと、今まさに散っているのだろう。

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万葉集

我がかざす柳の糸を吹き乱る
風にか妹が梅の散るらむ

私が髪に挿している柳の糸のような枝を吹き乱すこの風に、あの子の家の梅も散っているのだろうか。

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万葉集

年のはに梅は咲けどもうつせみの
世の人我れし春なかりけり

毎年梅は咲くけれども、この世に生きる人である私には、春というものがなかったのだ。

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万葉集

うつたへに鳥は食まねど縄延へて
守らまく欲しき梅の花かも

決して鳥がついばむというわけではないけれども、縄を張りめぐらして守りたいと思う梅の花であることよ。

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万葉集

馬並めて多賀の山辺を白栲に
にほはしたるは梅の花かも

多賀の山のあたりを真っ白に照り輝かせているのは、梅の花であることよ。

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万葉集

花咲きて実はならねども長き日に
思ほゆるかも山吹の花

花は咲いても実はならないけれども、長い間心にかかって思われることだ、山吹の花は。

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万葉集

能登川の水底さへに照るまでに
御笠の山は咲きにけるかも

能登川の水底までも照り輝くほどに、御笠の山は花が咲いたことだ。

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万葉集

雪見ればいまだ冬なりしかすがに
春霞立ち梅は散りつつ

雪を見ると、まだ冬である。それなのに春霞が立ち、梅の花は散り続けている。

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万葉集

去年咲きし久木今咲くいたづらに
地にか落ちむ見る人なしに

去年咲いた久木が今年も咲いている。むなしく地に落ちてしまうのだろうか、見る人もないままに。

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万葉集

あしひきの山の際照らす桜花
この春雨に散りゆかむかも

山あいを照らすように咲いている桜の花は、この春雨に散っていってしまうのだろうか。

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