新古今和歌集 - 藤原家隆
和歌の浦よ、沖の潮の流れが出合うあたりに浮かび出た、ああ、このわが身に、寄るべき岸を知らせてくれ。
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どの山にと約束したわけでもないのに、月も秋風も山住みを勧めるので、その袖に涙の露がこぼれ続けている。
新古今和歌集 - 藤原雅経
わが君の御代にめぐりあえたという道だけはあるけれども、わが身そのものは頼みにできない、行く末の空よ。
新古今和歌集 - 藤原俊成女
秋の過ぎるのを惜しんでも、わたしの涙に宿る月もまた、自ら進んで慣れ親しんだ袖の上で、去りゆく秋を恨んでいるようだ。
新古今和歌集 - 藤原良経
浮き沈みするこの世はともかく、来世はさていったいどうなるのかと、自分の心に問うてみて、答えられずにいることだ。
自分のことながら、心の行き着く果てがわからないことだ。捨てることのできない世が、それでいてまた厭わしいのだから。
繰り返し思い悩むのは苦しいので、いっそ何も知らない顔をして世を過ごしてしまおうか。
新古今和歌集 - 守覚法親王
生き長らえてこの世に住む甲斐はないけれども、つらさと引き換えにして保ってきた命なのだ。
新古今和歌集 - 藤原兼宗
世を捨てる心は、やはりなかったのだ。つらいことをつらいとは思い知っているけれども。
新古今和歌集 - 藤原公衡
世を捨てきれないわが身がつらい。それでもいつかはと思う心に、仏道のことはまかせきりにしていて。
新古今和歌集 - よみ人しらず
つらいながらも、生きていればこうしてある世に年を経て、故郷の夢を現実へと覚ますこともできないままで。
新古今和歌集 - 源師光
つらいながらも、やはり惜しまれる命であることよ。来世といっても頼みにはならないので。
新古今和歌集 - 賀茂重保
それでもいつかはと頼みにする心の行く末も、考えてみれば、先のわからない世にまかせているのだろう。
新古今和歌集 - 荒木田長延
よくよく考えてみれば、たやすく過ごせる世の中なのに、自分の心から嘆いているわが身なのだった。
新古今和歌集 - 藤原頼輔
川舟が流れをさかのぼりかねて引く綱手縄をたぐるように、苦しい思いばかりをしてこの世を渡ってゆくことだ。
新古今和歌集 - 覚弁
年老いてからの月日はいっそう早く過ぎ、早瀬川の流れのようだ。二度と返らない波に、涙で濡れる袖であることよ。