古典和歌stream

万葉集 - 柿本人麻呂

天の川水さへに照る舟泊てて
舟なる人は妹と見えきや

天の川の水までも照り輝く舟が岸に着いて、その舟にいる人は、妻と逢うことができただろうか。

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万葉集 - 柿本人麻呂

久方の天の川原にぬえ鳥の
うら歎げましつすべなきまでに

天の川原で、ぬえ鳥が鳴くように、心の中で嘆いておいでになった。どうしようもないほどに。

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万葉集 - 柿本人麻呂

我が恋を嬬は知れるを行く舟の
過ぎて来べしや言も告げなむ

私の恋心を妻は知っているのに、行く舟がそのまま通り過ぎて来てよいものか。せめて言葉だけでも伝えてほしい。

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万葉集 - 柿本人麻呂

赤らひく色ぐはし子をしば見れば
人妻ゆゑに我れ恋ひぬべし

赤く照り映える美しい娘をたびたび見ていると、人の妻であるのに、私は恋してしまいそうだ。

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万葉集 - 柿本人麻呂

天の川安の渡りに舟浮けて
秋立つ待つと妹に告げこそ

天の川の安の渡し場に舟を浮かべて、秋の来るのを待っていると、妻に伝えておくれ。

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万葉集 - 柿本人麻呂

大空ゆ通ふ我れすら汝がゆゑに
天の川道をなづみてぞ来し

大空を通って行き来する私でさえも、あなたのために、天の川の道を難儀しながらやって来たのだ。

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万葉集 - 柿本人麻呂

八千桙の神の御代よりともし妻
人知りにけり継ぎてし思へば

八千桙の神の御代から逢うことの少ない妻であったが、人に知られてしまった。絶えず思い続けているので。

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万葉集 - 柿本人麻呂

我が恋ふる丹のほの面わこよひもか
天の川原に石枕まく

私が恋い慕う、頬の赤く美しい顔のあの人は、今夜も天の川原で石を枕にして寝ているのだろうか。

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万葉集 - 柿本人麻呂

己夫にともしき子らは泊てむ津の
荒礒巻きて寝む君待ちかてに

自分の夫になかなか逢えない娘は、舟の着くはずの港の荒磯を枕にして寝ることだろう。あなたを待ちかねて。

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万葉集 - 柿本人麻呂

天地と別れし時ゆ己が妻
しかぞ年にある秋待つ我れは

天と地が分かれた時から、自分の妻である。そのように年に一度ある秋を待っているのだ、私は。

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万葉集 - 柿本人麻呂

彦星は嘆かす妻に言だにも
告げにぞ来つる見れば苦しみ

彦星は嘆いておいでになる妻に、せめて言葉だけでも伝えようとやって来たのだ。その姿を見るのがつらいので。

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万葉集 - 柿本人麻呂

ひさかたの天つしるしと水無し川
隔てて置きし神代し恨めし

天の定めのしるしとして、水のない川を隔てにして置いた神代が恨めしい。

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万葉集 - 柿本人麻呂

ぬばたまの夜霧に隠り遠くとも
妹が伝へは早く告げこそ

夜霧に隠れて遠く離れていても、妻からの伝言は早く知らせておくれ。

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万葉集 - 柿本人麻呂

汝が恋ふる妹の命は飽き足らに
袖振る見えつ雲隠るまで

あなたが恋い慕う妻の君は、名残惜しそうに袖を振るのが見えた。雲に隠れてしまうまで。

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万葉集 - 柿本人麻呂

夕星も通ふ天道をいつまでか
仰ぎて待たむ月人壮士

宵の明星も行き来する天の道を、いつまで仰いで待つのだろうか、月の若者よ。

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万葉集 - 柿本人麻呂

天の川い向ひ立ちて恋しらに
言だに告げむ妻と言ふまでは

天の川に向かい合って立って、恋しさのあまり、せめて言葉だけでもかけよう。妻と呼べる時が来るまでは。

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