古典和歌stream

万葉集 - 柿本人麻呂

白玉の五百つ集ひを解きもみず
我は干しかてぬ逢はむ日待つに

白玉をたくさん連ねた緒を解いてもみずに、私は袖を乾かしかねている。逢う日を待っているので。

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万葉集 - 柿本人麻呂

天の川水蔭草の秋風に
靡かふ見れば時は来にけり

天の川の水辺の草が秋風になびいているのを見ると、逢瀬の時はやって来たのだった。

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万葉集 - 柿本人麻呂

我が待ちし秋萩咲きぬ今だにも
にほひに行かな彼方人に

私が待っていた秋萩が咲いた。今すぐにでも、萩の花に染まって出かけて行こう、川の向こうの人のもとへ。

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万葉集 - 柿本人麻呂

我が背子にうら恋ひ居れば天の川
夜舟漕ぐなる楫の音聞こゆ

あの方を心の中で恋しく思っていると、天の川を夜舟で漕いでいるらしい楫の音が聞こえてくる。

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万葉集 - 柿本人麻呂

ま日長く恋ふる心ゆ秋風に
妹が音聞こゆ紐解き行かな

長い間恋い慕ってきた心のせいか、秋風に乗って妻の声が聞こえる。衣の紐を解いて行こう。

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万葉集 - 柿本人麻呂

恋ひしくは日長きものを今だにも
ともしむべしや逢ふべき夜だに

恋しく思う日々は長いものであるのに、今でさえも物足りなく思わせてよいものか。せめて逢うべき夜ぐらいは。

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万葉集 - 柿本人麻呂

天の川去年の渡りで移ろへば
川瀬を踏むに夜ぞ更けにける

天の川の去年の渡り瀬が移り変わってしまったので、浅瀬を探して踏み歩くうちに夜が更けてしまった。

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万葉集 - 柿本人麻呂

いにしへゆあげてし服も顧みず
天の川津に年ぞ経にける

昔から織りかけていた機も顧みずに、天の川の渡し場で年月が過ぎてしまった。

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万葉集 - 柿本人麻呂

天の川夜船を漕ぎて明けぬとも
逢はむと思ふ夜袖交へずあらむ

天の川を夜舟で漕ぎ渡って、夜が明けてしまうとしても、逢おうと思う今夜、袖を交わさずにいられようか。

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万葉集 - 柿本人麻呂

遠妻と手枕交へて寝たる夜は
鶏がねな鳴き明けば明けぬとも

遠く離れていた妻と手枕を交わして寝た夜は、鶏よ、鳴いてくれるな。夜が明けるなら明けてしまってもかまわないが。

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万葉集 - 柿本人麻呂

相見らく飽き足らねどもいなのめの
明けさりにけり舟出せむ妻

逢うことにはまだ満ち足りないけれども、夜が明けてきてしまった。舟出をしよう、妻よ。

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万葉集 - 柿本人麻呂

さ寝そめていくだもあらねば白栲の
帯乞ふべしや恋も過ぎねば

共寝を始めてからまだいくらも経っていないのに、白い帯を返せと求めてよいものか。恋しさもまだ晴れていないのに。

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万葉集 - 柿本人麻呂

万代にたづさはり居て相見とも
思ひ過ぐべき恋にあらなくに

万年もの間手を取り合って一緒にいて逢い続けたとしても、思いが晴れてしまうような恋ではないのに。

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万葉集 - 柿本人麻呂

万代に照るべき月も雲隠り
苦しきものぞ逢はむと思へど

万年も照り続けるはずの月も雲に隠れてしまうように、逢えないのは苦しいものだ。逢おうと思うけれども。

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万葉集 - 柿本人麻呂

白雲の五百重に隠り遠くとも
宵さらず見む妹があたりは

白雲が幾重にも重なって隠れ、遠く離れていても、毎晩欠かさず見よう、妻の住むあたりは。

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万葉集 - 柿本人麻呂

我がためと織女のそのやどに
織る白栲は織りてけむかも

私のためにと、織女がその家で織っている白い布は、もう織り上がっただろうか。

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