古典和歌stream

万葉集

秋萩の上に置きたる白露の
消かもしなまし恋ひつつあらずは

秋萩の上に置いた白露のように、いっそ消えてしまおうか。こうして恋い続けているくらいなら。

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万葉集

我が宿の秋萩の上に置く露の
いちしろくしも我れ恋ひめやも

我が家の秋萩の上に置く露のように、はっきりと人目につくように私は恋をするだろうか、いやしはしない。

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万葉集

秋の穂をしのに押しなべ置く露の
消かもしなまし恋ひつつあらずは

秋の稲穂をしなうほどに押しなびかせて置く露のように、いっそ消えてしまおうか。こうして恋い続けているくらいなら。

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万葉集

露霜に衣手濡れて今だにも
妹がり行かな夜は更けぬとも

露霜に袖が濡れても、今すぐにでも恋人のもとへ行こう。夜は更けてしまっても。

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万葉集

秋萩の枝もとををに置く露の
消かもしなまし恋ひつつあらずは

秋萩の枝もたわむほどに置く露のように、いっそ消えてしまおうか。こうして恋い続けているくらいなら。

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万葉集

秋萩の上に白露置くごとに
見つつぞ偲ふ君が姿を

秋萩の上に白露が置くたびに、それを見ながら偲ぶことだ、あなたの姿を。

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万葉集

我妹子は衣にあらなむ秋風の
寒きこのころ下に着ましを

愛しい妻が衣であってほしい。秋風の寒いこのごろ、肌着として身につけていられるのに。

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万葉集

泊瀬風かく吹く宵はいつまでか
衣片敷き我がひとり寝む

泊瀬の風がこのように吹く夜は、いつまで衣の片袖を敷いて、私はひとりで寝るのだろうか。

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万葉集

秋萩を散らす長雨の降るころは
ひとり起き居て恋ふる夜ぞ多き

秋萩を散らす長雨の降るころは、ひとり起きていて恋い慕う夜が多いことだ。

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万葉集

九月のしぐれの雨の山霧の
いぶせき我が胸誰を見ばやまむ

九月のしぐれの雨に立つ山霧のように、晴れない私の胸は、誰に逢えば晴れるのだろうか。

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万葉集

こほろぎの待ち喜ぶる秋の夜を
寝る験なし枕と我れは

こおろぎが待ち喜んでいる秋の夜を、寝るかいもない。枕と私とは。

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万葉集

朝霞鹿火屋が下に鳴くかはづ
声だに聞かば我れ恋ひめやも

朝霞の立ちこめる鹿火屋の下で鳴くかじか蛙の声のように、せめて声だけでも聞けたなら、私はこんなに恋い慕うだろうか。

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万葉集

出でて去なば天飛ぶ雁の泣きぬべみ
今日今日と言ふに年ぞ経にける

家を出て行ってしまったら、空を飛ぶ雁のように泣いてしまいそうなので、今日こそ今日こそと言っているうちに、年が過ぎてしまった。

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万葉集

さを鹿の朝伏す小野の草若み
隠らひかねて人に知らゆな

雄鹿が朝伏している野の草が若く短いので隠れきれないように、人に知られないようにしておくれ。

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万葉集

さを鹿の小野の草伏いちしろく
我がとはなくに人の知れらく

雄鹿の野の草の寝床がはっきりとわかるように、私が訪ねたわけでもないのに、人に知られてしまったことよ。

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万葉集

今夜の暁ぐたち鳴く鶴の
思ひは過ぎず恋こそまされ

今夜の夜明け前の時が過ぎていくころに鳴く鶴のように、思いは晴れることなく、恋しさがいっそうまさることだ。

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